2020.04.19

映画日記「ピザ！」

何か面白い映画はないかと探していて、見つけた映画

「ピザ！」

タイトルだけ聞くと、なんだかがグルメな映画なのかと思うけれど

トップ画像は、どう見てもインド映画です。

 

インド映画で「ピザ！」？？？？

何だこりゃ？と思って、見始めたら、なかなかいい映画でした。

 

インドのスラムで暮らす兄弟。

近くの空き地の木の上にあるカラスの巣から卵を失敬し

上の方をちょこっと割って、ゴクンと中身を食べる。

これが、毎日の楽しみです。

 

ある日、その空き地が整備され、ピザ屋ができるんです。

（当然木は倒され、カラスの巣はなくなり、卵はもう食べられない）

 

遊び場とカラスの木がなくなったことは悲しいけれど

それ以上に、ピザがものすごく食べたくなる二人。

 

なんといっても、生まれて初めてピザというものを知り

スラムの他の子供たちは、誰も食べたことがないんだもの。

興味津々。

いったいあれは、どんな味がするんだろう。

 

ところが、ピザの値段は一枚300ルピー

貨物列車が落とした石炭を拾い集めて売って得られるお金が

一日１０ルピー

となると、ピザ一枚食べるのに1か月分のお金を貯めないといけないことになる。

 

インドは貧富の格差が激しく

そのピザ屋さんは、お金持ちの人たちのためのお店なんですね。

 

でも、そんなことではめげないのだ！

とにかく働いてお金をためよう。

お金さえあれば、食べられる！

 

必死で頑張って働き、ちょっと悪いこともして、とうとう３００ルピーをため

そのお金を握りしめて

いざ、あこがれのピザ屋さんへ。

 

ところが！

入り口で追い返されちゃうの。

 

何で追い返されたのか

スラムの子だから。

なんでスラムの子だとわかったんだろう？

それは、着ている服が汚いから

 

この時、お兄ちゃんは、自分たちの貧しさに対して

どうしようもない怒りを感じちゃうんだけれど

 

お金は持っているのに食べられない

服が汚いから、スラムの子だからお店に入れない

そんな理不尽な事ある？

こうなったら、きれいな服を着て、お店に行ってやる！！！

 

弟と一緒に、ますます必死で働いて

服を買うお金を貯めるんです。

 

それをもって、初めてバスに乗って、デパートに行って

そうして

とうとうきれいな服を手に入れる。

 

そしてそれを着てお店に行くのですが‥‥

 

ここから先はネタバレになってしまうので、映画を見ていただくとして

とにかく、ここからがまた、思わぬ展開になります。

 

この映画、

最初は、インドの貧富の差をテーマにした映画なのかと思ってみていたのですが

途中から、そういう事じゃないという事がわかってきます。

 

兄弟の弟が、とにかくかわいく

また、飼い犬もかわいく

更に、スラムで暮らしている人たちが、いい人たちで

しかも、お金はないけれど、決して不幸じゃない。

 

お金がないことで思い通りにならないことは、たくさんあるけれど

一生懸命働いて、つつましく暮らしている人たちは

みんな明るくて、穏やかで、温かい。

 

家族でカレーを食べているシーンがあるんだけれど

そのカレーが、ピザよりも断然おいしそうで、おいしそうで。

 

そうそう、カラスの卵を取るシーンで

カラスの巣の中に卵は3つあったんだけれど

3つ全部取ろうという弟に対し

お兄ちゃんは、自分たちのために2つだけもらい、

残りの1個はカラスのために残してあげるの

 

カラスの卵をちゃっかり盗んでいるんだけれど

最終的には、カラスと共存している。

こういう優しさが、この映画の根底に流れている気がしました。

 

途中、お金がなくてピザが食べられない

来ている服が汚いからお店に入れない

って言うところは、かわいそうで切なくて、泣きそうになりましたが

 

でも、この兄弟の素直さや、ちょっとずる賢しところ

好奇心が強く、決してあきらめないところ

周りの大人たちの、なんとも言えない温かさや優しさ、等々

見終わった後は、すがすがしい気持ちになりました、

 

そして何より、ピザを食べたいという、その気持ちが

いろんな困難に立ち向かうエネルギーとなり

二人の少年を成長させていく。

 

ここが本当に見所です。

 

インドとピザ、異色の映画。

最後は、自分の目の前にある幸せに気づかせてくれます。

おすすめです。

 

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