家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
息子がロールキャベツを食べたいと言い出して
一瞬“!?”って思ったんだけれど
とりあえず、何事も経験だと思って、作ってみたのがそもそもの失敗の始まり。
なんで“!?”って思ったかっていうと
この時期の柔らかい春キャベツでロールキャベツが作れるのか?
って思ったからなのでした。
春キャベツは、ロールキャベツには向かない
っていうのは、料理の基本でして
考えてみたら、これまでの人生の中で
春キャベツでロールキャベツを作ったことが一度もなかった。
でも、春キャベツが、なんでロールキャベツに向かないのか
きちんとわかっていない。
繊維が柔らかいので肉だねが包みにくいから?
あるいは、煮ている時に煮崩れるから?
とりあえず、これは一度やってみるしかない!!!
何事もチャレンジあるのみ!
まず、一枚ずつ葉っぱをはがしていく。
冬キャベツの場合、そのままでは葉がきれいにめくれないので
さっとゆでてはがしていくんだけれど
春キャベツの場合、巻きが緩いから
そのままでいけるんじゃね?
って思った私が甘かった。
葉っぱの外側のところは、確かにふわっとしてるんだけれど
芯のところががっちり骨太。
無理にはがそうとすると、葉っぱがボロボロ破れる。
こりゃまずい、っていうんで
慌ててゆでることにしたんだけれど
これがまた、大変で。
葉っぱはやわらかいのですぐに火が通るのに対し
芯がめちゃめちゃ太くて、全然火が通らん。
芯だけに通そうとするんだけれど、あっという間に葉っぱがしなしなになる。
春キャベツの本性を見た気がした。
一見弱そうに見える葉っぱの陰で
じつは芯がめちゃめちゃしっかりしている。
単にか弱いだけの野菜じゃなかったのね。
今更だけれど、春キャベツのイメージが変わった。
どうにかこうにか、一枚ずつ葉っぱをバラしてみたけれど
外側の葉っぱが、びっくりするくらいでかいのに
そのでっかい葉っぱ4枚くらいはがすと、一気に葉っぱが小さくなる。
めっちゃアンバランス。
春キャベツって、そういう子やったんですね。
春キャベツの新しい一面を、またしても見てしまった。
しかも、いざこれに肉だねを巻こうとすると
このぶっとい芯が邪魔になる。
こそげ取っても固く
v字に切り取れば
今度は葉っぱが柔らかすぎてビリビリ破れる
芯と葉っぱの固さが違いすぎ
葉っぱの大きさが違いすぎる
こういうの、ロールキャベツを作ろうと思わなかったら
気づかなかったことかもね、
でもこれが春キャベツなんだから
それをしっかり受け止めてあげようじゃないの。
どうにかこうにか、巻いてみたものの
これは煮ている間に煮崩れる予感
それで、土鍋の中に、隙間なくびっしり詰めて
ベーコンやらキノコやらを隙間にぎゅうぎゅう詰めて
形が崩れないようにしてから蓋をして煮たのでありました。
ふう~~~~~。
そうして、煮あがったものは
一見ロールキャベツ風。
けれど、現実は、ミルフィーユ鍋のアレンジバージョンって感じ。
でもまあ
終わり良ければ総て良し。
ロールキャベツみたいな、キャベツのミルフィーユ鍋
もとい
ミルフィーユ鍋みたいな、ロールキャベツ。
春キャベツも頑張った、私も頑張った。
コメント
私も昨日、春キャベツを切っていたら、葉っぱが柔らかい割に、芯は骨太だなぁと思っていました。偶然、そういうキャベツを購入してしまったのかと思っていた所だったので、先生のコメント、妙に胸にしみました。ミルフィーユ風ロールキャベツ、とても美味しそうです。私は、例え、煮崩れても胃袋に入れば皆同じ、美味しければいいじゃんと思ってしまいます。
きな粉のフレンチトーストの欄で、きな粉は口の水分を持っていくと先生が書かれていて、いつもきな粉だけを食べると口がパサパサになる理由がわかりました。だから最近は、あまりきな粉食べませんでしたが、これからは、砂糖と塩を入れてもっと活用したいと思いました。ありがとうございます。
知っているようで、知らないことがまだまだありますね。
でも、知らないことに驚いたり、知っているつもりになっていることを確かめたり
そういうのは、楽しいです。
新しいことに出会い、また興味がわくと、どんどん暮らしが楽しくなります。
初めてコメントします。私はベルギーに住んでいる日本人で奥園さんのズボラ料理のファンです。
こちらも解除にはなってきてますが、まだまだ家で料理を頑張らなきゃならない現状です。
昨日は奥園さんのレシピから、サバ缶レンジカレー、今日の昼はじゃがいもとツナ缶のグラタン、おやつにチョコバナナケーキを作りました。
フランス人の夫にも好評で、嬉しい限りです。これからもよろしくお願いいたします。
またブログの読書リストも、私も好きな本が数冊入っていて嬉しかったです(太田愛さんのとか)。読んだことが無い本も沢山あるので、Kindledz探して読んでみたいと思います。
はじめまして。
コメント、ありがとうございます、いっぱい作ってくださって、ありがとうございます。
うれしいなあ。
読書日記も、興味を持って下さり、それもうれしい。
太田愛さん面白いですね。犯罪者、幻夏、と読んだので、天上の葦を読み始めたいのですが
太田愛さんっぽいスパイ小説を見つけてしまい、今そちらを読んでいるところです。
次は、天上の葦を読みます!!
春キャベツは茹でると春の緑のにおいがする。冬のキャベツと違うにおいだな、と思っていました。春キャベツでロールキャベツ作ったレポートをおもしろく読みました。「やってみなきゃわからん」と言って、奥薗先生は実験的チャレンジをずいぶんやってみえますよね。ご飯を圧力鍋と土鍋と炊飯器で炊くと、味や食感がどう違うか?とか。本で読んで、一気にファンになったのでした。
コメントありがとうございます。
自分が知っていると思っていることって、実は、ほんの一部だけちょっと知っているだけで
本当は全然わかっていないことがたくさんあると思っています。
料理もわかったようなつもりになることはあるけれど、いくらやってもわからないこと、知らないことがたくさんあって
だからこそ、面白いと思っています。
また、いろいろ実験して報告しますね。