でいりいおくじょのBLOG

2020.06.22

読書日記「イン・ザ・プール ドクター伊良部」

ずーっと読みたかったドクター伊良部シリーズ、

ようやく、一冊目読みました。

 

「イン・ザ・プール ドクター伊良部」(奥田英朗著 文春文庫)

 

奥田英朗さんにハズレなし!!

「家日和」とか「我が家のヒミツ」とか私が読んだことがあるのは

系統が似通ったものばかりですが

いずれも、全部面白い。

本当にハズレなし。

 

で、このドクター伊良部シリーズ(全3部)も、

ずーっと読みたかったのですが

なかなか読むことができず

ようやく読めました!!!

 

いやあ、面白かった~~~~~~~!!!!!

 

「伊良部総合病院」地下一階にある「神経科」

伊良部医院の息子である、医学博士伊良部一郎

 

この伊良部医師と、ここを訪れる患者さんの話です。

 

…と書くと、なんかまじめな話かと思うかもしれませんが

全くそんなことはなくて

 

この伊良部先生が、本当に変わり者でぶっ飛んでいて

神経を病んでやって来てる患者さんの方が

むしろ、まっとうにも見えてくる・・。

 

例えばどんなお患者さんがくるかというと

心身症で、胃痛と下痢を訴えている患者さんに

運動を進めたのはいいんだけれど

その患者さんが、水泳にハマってしまって

今度はプール依存症になっちゃって。

泳げないと、逆に具合が悪くなる・・・。

 

後、

ずーっと勃起したまま、元に戻らない男性とか

スマホ依存症の学生とか

タバコの火の始末が気になって、家を出かけるのに2時間以上もかかる男性とか

自意識過剰で、男性に付け回されているという妄想癖の女性とか

 

なんだか、本当に大変そうな患者さんばっかりなのに

ドクター伊良部は、全く動じず

やることとといえば、ぶどう糖の注射だけ。

 

ドクター伊良部は注射フェチなんです。

加えて、病院の跡取り息子で、金持ちのボンボン、

自由奔放で、友達なし、本当に変わりもの

 

めちゃめちゃ変わっていて、

お医者さんとして、まったく頼りにはならない

 

9割くらいは、いい加減な事ばっかりやっているんだけれど

ぎりぎり最後の1割くらいが、なぜか、すごくまっとうなんです。

人間の本質みたいなものを、何気なく口にしたりする。

 

読んでいて、そこがたまらん。

 

患者さんも、やられるけれど

読んでいる私もやられる。

 

そして、最終的には、

みんな病気を克服していく。

 

神経の病気というのは

深刻にならず、とにかく自分の話を聞いてもらう事

話をして、話をして

変わるための行動を起こす

 

そうやって

自分でそれに向き合うことで、治っていくのだと思う。

 

もし近所に

伊良部総合病院があったら、ちょっと行ってみたいなと思う。

ドクター伊良部の診察を受けるのは勇気がいるけれど

 

いろんなことを、肯定して、前向きに生きていけそうな気がするなあ。

 

少なくとも、この本を読んだら

ちょっと、気楽に生きられる気がしてきます。

 

3部作の残り2冊も、読まなくっちゃ。

 

2020年6月21日インザプール

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