でいりいおくじょのBLOG

2020.09.07

読書日記「2020年6月30日またここで会おう」

NHKのオンデマンドでやっていたドキュメンタリーを見て

故瀧本哲史さんのこんな熱い講演会があったことを知り

改めて本を読んでみました。

 

「2020年6月30日またここで会おう」(瀧本哲史伝説の東大講義)(星海社)

 

瀧本哲史さんは、投資家であり、教育者であり

若者に向けて、どのように考え、どのように行動するべきかというメッセージを送り続けた方です。

2019年に、病のために47歳で亡くなられたのは、ただただ、残念でなりません。

 

この本は、その7年前、

2012年に東大で講演された時の講演をそのまま活字に起こしたものです。

 

私自身

これまで瀧本さんの本は何冊も読んでいて

自分が20代くらいの時に、この話を聞きたかったという思いと

今からでも、まだまだやれることはある、という勇気を頂きました。

 

めちゃめちゃ頭のいい方なので

イメージとしては、なんかものすごく頭でっかちで理屈っぽいことを言われるのかと思うのですが

まったくそういうことはなく

 

常に、物事を俯瞰で見て、的確に状況をつかみ

選択肢を見つけチョイスしていくことを高速で出来てしまうような方。

 

そんな瀧本さんの言葉の中で

特に私の好きなのは

 

“アイデアは盗まれる

人生は盗まれない“

 

この言葉、本当に心にしみました。

 

そうなんです、そうなんです。

と、心の中で叫びました。

 

例えば料理レシピなんて、その最たるもので

ものすごーく良いレシピを思いついたとしても

それに著作権なんてないし

良いレシピであれば、あっという間にいろんな人が同じようなものを作り

それでうまく利益を得る人もいる。

 

けれど、レシピなんて言うものは

作ってもらってなんぼ、まねされてなんぼみたいなところがあって

まねされなかったら、レシピ自体の価値もないわけで

 

そこに大きな矛盾があるんです。

 

だから、私はいつも思うんです。

 

レシピはたくさんの人にまねをしてもらい、作ってもらうことに絶対的な意味があり

レシピが、それを考えた人から離れて、独り歩きしたら

もうそれは、私のレシピなどと思わないことにする。

 

レシピとしての価値はそこからが始まりで

独り歩きしたレシピが、いろんな人を幸せにしているとしたら

それは、とてもとても素晴らしく、うれしいことなのです。

 

じゃあ、レシピを手放した私には、何も残っていないかというとそうではなく

レシピを考えた時間や

トライ&エラーの繰り返しの中で得た経験、思考の道筋

そのすべてのストーリ、それを食べた家族との時間

そういうものが確実に残っていて

それは、絶対誰にも盗むことができない。

 

そのすべてが、私を支える力になる。

 

日々、繰り返し料理を考え、繰り返し料理を作る

そんな料理研究家としての人生

誰にも盗むことはできない時間をどれだけ生きてきたか

そこに価値と意味があり

 

つまづいてもつまづいても立ち上がって、

また一歩踏み出せるエネルギーとなる。

 

瀧本さんの本の中には

本当に、たくさん勇気づけられました。

 

改めて、本を読み返して

瀧本さんのご冥福をお祈りしました。

 

2020年9月6日読書またここで会おう

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