家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
アメリカの国立がん研究所が「デザイナーフード」として発表した
がんを予防する効果が高いとされている食べ物の最上位にあるのが
ニンニク、キャベツ、大豆、ショウガなど
中でもにんにくは、最も効果が期待されている食べ物のひとつ。
一日に1/2かけ食べるだけで免疫力を高め、がん予防効果が期待できるそうですよ
しかもネギ類の中で最も多くのアリシンが豊富。
アリシンはビタミンB1の吸収を高めてくれるので
ニンニクと豚肉の組み合わせは、この時期おすすめです。
ところで、にんにくって、すりおろして使うか、刻んで使うか、迷うこと、ありませんか?
また、刻むにしても、どれくらいの大きさに刻んだらいいのとか。
私もレシピを書くときに、結構迷います。
私の感じでは、
にんにくをすりおろして入れると全体にガツンとにんにく臭が広がる感じがします。
たぶん細かく細胞がつぶれているせいだと思うのですが
ニンニクが強く自己主張する感じ。
だから、スープなんかで強めににんにく風味を出したいときとか、
にんにく風味のたれとかには
すりおろしにして入れたりします。
一方、微塵切りのほうは、もう少しマイルドに香るというか
細かく刻むより、粗くざっと刻んだだけの粗みじん切りにするほうが
ふわっとかすかににんにくが香るって感じに仕上がるので
私は、粗みじん切りで使うことが多いです。
この粗みじん切りなんですけど
私は、薄皮がついたまま、木べらで押さえてつぶしてから刻みます。
また板ににんにく1かけを置いて、その上に木べらをかぶせて、上から体重をかけて、ぎゅっとつぶすわけです。
(昔は包丁を横にしてつぶしていたんですけど、にんにくの形によっては、つるりと滑って危ないので、木べらみたいなのもので押さえるほうがおすすめです)
薄皮がぺろりとむけるのがいいのと
押しつぶすことで繊維がつぶれるので、そのまま刻むよりも香りが立ちやすく
粗く刻んだだけで、ふわっとマイルドな品のいい香りになるのです。
さて、このにんにくを入れるタイミングですが
フライパンを火にかける前に、にんにくとオイルを入れて火にかけるのが、主流です。
私も以前はそうしていました。
油が熱くなったところににんにくを入れるとあっという間に焦げて苦くなるので
冷たいところに入れて、徐々に温度を上げたほうが、失敗せずに香りを引き出せるというわけです。
でも、このやり方だと、この後肉や魚を焼いている間も、にんにくは加熱されているわけですから、
肉や魚が焼きあがる頃には、にんにくは焦げ焦げになっている場合が多い。
特に、私は香ばしい焼き色がつくまでしっかり焼いたほうが好きなので
(そのほうが、肉の香ばしさが出る気がする)
私は肉や魚を先に焼き(炒める場合も)、
しっかりおいしそうな焼き色がついた、そのタイミングでにんにくを入れます。
この時、細かく微塵切りになっていると
油が熱いところに入れるわけですから、あっという間に焦げてしまうので
粗くごつごつした感じで刻んであると、焦げることなくいい感じで香りが立ちます。
(焦げにくいのに、あらかじめつぶして細胞を壊してあることで、香りが立ちやすい)
また、こんな風に粗く刻んであると、ニンニクをよけることができるので
香りは十分楽しみつつ口に入れる量を加減しやすいのもいいところです。
(栄養的には、絶対食べたほうがいいのだけれど、いろいろ気を使わないといけない時もありますものね)
あ、それから
ニンニクにはがん予防として、今注目されているDATSという成分があるのですが
この成分は揮発性なので
刻んだらすぐに油でいためて、油の中に抽出するのが効果的だそうです。
だから、にんにくを刻むのは、料理する直前がいいですね。
これは以前、家庭の医学の胃がん予防の回の時
玉ねぎとにんにくを一緒に食べるのが、胃がん予防に効果的ということで、料理を作らせてもらったのですが
その時に教えていただいたことです。
ニンニクの保存は
私は薄皮を付けたまま、売られているネットに入れて冷蔵庫に入れています。
薄皮を付けたままつぶせば簡単に薄皮がむけるので
わざわざ、先にむいて保存する必要がないのです。
*************************
今日の「日めくりレシピ」は「豚肉と長ひじきのにんにく炒め」
鉄分豊富なひじき。長ひじきはしこしこした食感が特徴で、野菜感覚で食べられるのがうれしいところです。豚肉とにんにくの組み合わせで、疲労回復効果も期待できます。
「日めくりレシピ」はツイッターでも毎日お知らせしています。
奥薗壽子で検索してみてくださいね。
コメント