家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
『腸は絶対に冷やすな!』 (松生恒夫著 光文社新書)
寒くなると、どうも腸の調子が良くなくて便秘気味になるという方、多くないですか?
その原因は食生活もさることながら、腸の冷えが関係しているかも。
腸内環境を良くする食事があちこちで紹介されているけれど、
乳酸菌や食物繊維を摂るだけでは,実は腸の症状を改善するのは難しく、
冷えと腸内環境の両方を良くしなければ快腸な生活は送れない
というのが、この本のテーマです。
著者は松生クリニックの院長で大腸の内視鏡検査のエキスパート、便秘が以来の専門医。
オリーブオイルと和食を結びつけた地中海式和食も提唱されている先生。
この本によると『便秘外来」の患者さんが多くなる月は
1~2月と8月なんだそう。
1~2月に便秘が起こる原因は、明らかに冷え
そして8月は、水分不足と、冷房や冷たい食べ物などによる冷え
慢性の便秘患者の70%以上が冷えを認めておられるのだそう
そもそも冷えというのは
血行不良と代謝の低下による熱生産不足で起こるわけで
女性の場合、それに加えてホルモンバランスも影響するらしい。
ということは中年以降の女性は更年期をむかえ
ホルモンのバランスの乱れ、加齢に伴う筋肉の衰え
基礎代謝の低下によって、冷え性に加速がつく
たしかに、最近、やたら寒くて寒くて
靴下を2枚はいてみたり、一枚余計に重ね着をしたり。
いずれにしても冷えることによって、腸の働きが低下し
免疫力がぐんとさがってしまうわけで
この本を読むと、たかが冷えと侮れなくなります。
平成22年度の国民生活基礎調査によれば
人口1000人あたり、女性で50.6人、男性で24.7人が便秘であると回答
単純計算しても、約500万人が便秘!?
大腸がんは、今や女性のガンの死亡原因1位です。
(便秘だから、即大腸がんになるというわけでもないようですけど)
この本には
便秘の原因と予防法、大腸がんの新常識
腸にやさしい野菜の食べ方や食材まで詳しく書かれています。
快腸のためにの5つのポイントとしては
体内時計にあった生活
ストレス予防
適度な運動
お腹への適度な刺激
食事
つまり
①規則正しく生活し
②特に朝ごはんをきちんと食べて、腸の蠕動運動をきちんと促進し
③朝のトイレを習慣つけること
④ストレスをできるかぎり減らし、
(読書や、音楽、瞑想などでリラックス)
⑤ウオーキングなどの運動を上手日常生活に取り入れる。
⑥お腹のマッサージ
⑦食物繊維、水分、オリゴ糖、乳酸菌など、腸に良いものを積極的に食べる
ということだそうです。
この中で、特に私がいいなと思ったのは
(もちろん、全部大切なんですけど)
お腹のマッサージです。
食事に気をつけるとか、朝ごはんを食べるとか、ストレスを減らすとか
そういうのって、便秘解消や腸を元気にするというような話には
大抵書いてあることだと思うのですが
このお腹のマッサージというのは
ちょっと目新しくて、私自身、以前からやっていたのですが
これがなかなか効くのです。
要は、下腹のところをお腹でモミモミしながらマッサージするだけ。
松生先生が提唱されているのは
お風呂の中で、時計回りに優しくお腹をつまんでいく
一箇所につき、2~3回つまむようにして、大腸をなぞりながらつまむ箇所を移動させていく。
というものです。
私は、これに更に一工夫を加え
足の裏の土踏まずのところを10回位押して、マッサージして
それから、ふくらはぎも指でほぐしていき
(ふくらはぎを押すのは、ちょっとブームになりましたよね)
それから、お腹のおへその下あたりを中心に、時計回りにグルグルともみほぐしていく感じです。
なんでも、人間の血液って1分間で体内を一周するそうで
約20分湯に浸かると体の中を温かい血液が20周する計算になるんですね。
だから、ただ湯船に浸かるだけでも、もちろん血行が良くなって
腸の冷えもなくなるので、体の調子は良くなるのですが
どうせなら、浸かっている時にこんなふうにマッサージすると
更に、確実に血行が良くなって
汗も出て、むくみも取れます。
しかも、普段デスクワークなどで、ずーっと座っていたりすると
腸って、スカートとかズボンで圧迫されて
余計動きが鈍くなっている気がするんですよ。
それをマッサージしてもみほぐすことで、腸がなんか軽くなるというか
長時間新幹線や自動車に載って移動した時なんかも
お腹のマッサージはすごくききますので、おすすめです。
暦の上では、春になりましたが
まだまだ寒い日は続きます。
体の中からも外からも暖かくして
元気に寒さを乗り切りたいものです。
コメント