でいりいおくじょのBLOG

2014.03.13

読書日記 『逃避めし』(吉田戦車著 イースト・プレス)

実は吉田戦車さんの漫画は読んだことがないのですが

奥様で、漫画家の伊藤理佐さんの「おかあさんの扉」シリーズが好きで

読んでいると、昔子育てしていた頃が懐かしく思い出され

もう一人産んでもいいかとさえ思えてきます・・・・・それは嘘です。

そのマンガに時々登場される戦車さんがとってもユニークで可愛く

密かにフアンだったりしたわけです。

その戦車さんが書かれた食べ物エッセイをよんでみると

まあ、これが面白いのなんのって。

逃避めしというのは

別に、いま作る必要はないし

料理なんかしていたら仕事が遅れるし

担当編集者に申し訳ない、と思いつつ

それでも作らずにはおれない料理。

要は、現実逃避するために、作って食べる男料理ですね。
 

2ページ見開きで1つのレシピが

写真またはイラストとエッセイで紹介されているのですが

どれも、男の料理って感じで、簡単で美味しそうで
 

しかも戦車さんの独特な言葉遣いと、料理の知識と、アイデアと遊び心

これぞ男の料理って感じ。

面白くて面白くて、一気に読めます。
 

更に、ところどころに登場する、ご本人と思しき男性

最初見た時は、めちゃ気持ち悪~って思うんですけど

だんだん、何かわかりませんが好きになってくる。

(なんやろう、このへんハマり方・・・)
 

紹介されている料理は、どれも簡単なんだけれど

エッセイと一緒に読むと、すぐに作ってみたくなるものばかり。
 

汁ペペロンチーノとか

アジと紅しょうがの雑炊とか

冷やしきゅうりラーメンとか

ちくわの穴確認弁当、とか
 

ちくわの穴確認弁当とは

ちくわを炒めて納豆のタレを絡めたものをご飯ののせた弁当なんだけど

私も常々、ちくわの穴が大きくなったことに心を痛めている一人でありまして

(値上げする代わりにちくわの穴を大きくしたというニュースを知っている人はかなりのちくわ好き)

そのちくわに敬意を表する盛り付け

そのちくわの醤油炒めにベーコンと玉葱のカレー炒めを添えるあたり

めちゃセンス、感じます。
 

更に、私がすぐに作らずにはおれなかったのが

『夕やけ番長』の納豆ご飯
 

何でも『夕やけ番長』というマンガで主人公が食べる納豆ご飯で

納豆ご飯に味噌汁をぶっかけたもの。
 

文字に書けばそれだけなんだけど

やってみたら、おお~っとうなった。
 

昨日の夜の味噌汁をわざわざこのために多めに作って残し

昼ごはんの時間が来るのを今か今かと待ちわびて作りました!!

味噌汁の具は大好きな大根と油揚げ

マンガでは豆腐で、戦車さんが作っておられたのはわかめと大根だったけど

具については深いこだわりはなくてもいいようです。
 

熱々のご飯に、

醤油で味をつけた納豆を乗せ(この下味大事です)

熱々の味噌汁をかけるだけ。

ひとくち食べて

おおーっ、これは納豆汁やないの

煮ないで作る一人納豆汁やないの~

と、一人興奮しまくった。
 

納豆汁って、作った方ならわかると思うけど

普通は味噌汁を似ている鍋の中に納豆を入れるので

加熱された納豆の匂いが台所だけでなく家全体を覆うわけですよ、

私などは、近所に迷惑かけてはいけないので

換気扇を切って作ってたんです、今まで。
 

それが、このやり方なら、臭わないし

家族に嫌がられること無く、自分一人で大好きな納豆汁を楽しめる。

画期的!!すごい!!
 

これですっかり調子にのった私は

朝ごはんの時に、わざと残しておいたミネストローネへとステップを進めたのでありました、
 

ご飯の上に、醤油絵下味をつけた納豆を乗せ(しつこいですがこの下味大事です)

そこに熱々のミネストローネをかける。

納豆汁の洋風バージョンです。
 

すると、予感は的中!!めちゃうまいのです。

タバスコとたっぷりかけてみると、チリコンカーン的な感じ。

納豆臭さはなったくなく、柔らかく煮えたお豆が入ったトマトシチューですね。
 

いや~、今まで茹で大豆で作ってチリコンカーンは一体何だっただろう。

これからは、この一人チリコンカーンで充分やわ。
 

それにしても、汁かけご飯をダブルで食べると

けっこうお腹がチャプチャプ。

和風と洋風と味が変わってそれぞれめちゃ美味しかったけど

汁かけご飯2杯は、けっこうきつい。

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