でいりいおくじょのBLOG

2021.03.27

読書日記「滅びの前のシャングリラ」

本屋大賞候補作7冊目

読み終わりました!

 

「滅びの前のシャングリラ」(凪良ゆう著 中央公論社)

 

著者の凪良ゆうさんは

去年、「流浪の月」で本屋大賞グランプリを受賞された方。

今回2年連続上昇なるか!!と言ったところ。

 

…なのですが

実は私、「流浪の月」を読んでいません、すいません。

なぜか、読むタイミングを外しちゃったんです。

 

なので、本当は「流浪の月」から読もうかと思ったのですが

本屋大賞の発表が4月14日で

それまでに10冊全部読むとなると

時間的にも、こちらの本から読む方がいいと判断しました。

 

というわけで

初“凪良ゆう”作品です。

 

舞台は、

隕石の落下により

地球が滅亡するまでの一か月間の話です。

 

江那友樹17歳

クラスでいじめられいる。

おとなしく言うことを聞いてパシリもやるが、

心の中には獣がいて、牙をむいている

軽く絶望しつつも、心の中には獣がいる。

 

目力信二 40歳

人を殺したやくざ

これまでの人生、ろくなことはなかった

昔の恋人の名前を入れ済みで入れている。

 

江那静香 40歳

恋人から逃げ出し

シングルマザーとして息子を全力で育てている

これまでの人生、ろくなことはなかったが

息子の父である恋人は、最高の人だと思っている。

 

そして、ロックスターのL oco

思い描いた自分とは全く違う自分になっている。

 

地球滅亡まで、あと一か月

それぞれの登場人物が

今と、過去を振り返りつつ

世界の終わりへと向かっていく話。

 

ストーリーは、かなりハチャメチャで

あっけなく人は死ぬし

世の中は、ものすごいカオスになっている。

 

そこだけ見ると、とんでもない話のようにも見えるんだけれど

けれど、深いメッセージが放たれていると

私は思いました。

 

もしも

あと一か月で、この世が終わってしまって

その先の未来がなくなってしまったら

 

自分ならどうするだろうか

 

自分にとって大切なものは何か

最後の瞬間、どこで、だれと、何をしたいか

 

そういうことを、改めて考えさせられる作品でした。

 

実際、今、普通に生きていて、それも当たり前のように生きていて

未来はずーっと続いていると思っているけれど

本当は、それは全く当たり前ではなく

明日、あっけなく死んでしまう事だって、

実際はあり得るのに、それに気づかないようにして日々生きています。

 

人は必ず死ぬ

もしかしたら、明日死ぬかもしれない

そうなった時

自分は、後悔しないだろうか

今を精いっぱい生きているだろうか

そんなことを、強烈に考えたくなる本でした。

 

価値観も、道徳も、善悪も、上下関係も

本当は、絶対的なものではなくなる。

となると、

今、自分が執着しているなにかは

もしかしたら、最後の最後には、自分にとってはどうでもいいものなのかもしれません。

 

自分にとって、一番大事な人

一番好きこと

最終的には、そこに行きつくのかなあと思いました

 

隕石がぶつかって

地球が滅亡して

人類はもう絶対に助かるみこみはない

 

もう働いて、お金を稼ぐ必応もなく

法による裁きも秩序もなく

希望もない。

 

それでも、自分の好きで始めた仕事だからと

最後まで、一生懸命店を開けて働いていた

蕎麦屋の老夫婦のことを思うと、胸がつまりました。

 

ハチャメチャなんだけれど

なんか、心の中に、ぐっとくるものが残る作品でした。

 

好き嫌いが分かれる作品かもしれませんが

私は、結構好きです。

 

2021年3月27日シャングリラ

 

 

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