家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
本屋大賞候補10冊全部読破!!
を目指していたのですが
8冊目まで読んだところで、ちょっと挫折しています。
というのも
本屋大賞候補って、幅広いジャンルと、幅広い読者層を対象にしているため
どうやっても歩み寄れないタイプの本があることに気づき
心折れているところです。
自分の狭い好みに閉じこもらないで
新しいものに目を向けるチャンスだと思って読んでいたのですが
結構つらくなっています。
自分が読みたいと思う本を、夢中になって読む
というのが、やっぱり正しい本の読み方だと思いまして
ちょっと一休み。
読みたいと思った本を読むことにしました。
「死神の精度」(伊坂幸太郎著 文春文庫)
本屋大賞の候補作になっている
「逆ソクラテス」(これはめちゃめちゃいいです!!)を読んだ時に
これもすごくいいと、教えていただいた本で
その時からずーっと気になっていたです。
伊坂幸太郎さんは、本当に多才な方で
いろんな切り口の話を書かれているので
正直、自分には合わない世界観の本もあります。
だから、この本はどうかな~ってちょっと思ったりしたのですが
読んでみると、大当たりでした。
本当に、本当に面白く、
読んだ後の余韻も素晴らしい。
内容は6つの短編で構成されている短編集。
(短編集ですが、しっかり伊坂幸太郎ワールドになっています。)
主人公は死神です。
死神の仕事は人間の調査。
8日間ある人間のそばで、その人の生活やら性格やらを観察して
「可」という評価を出したら、その人は死に
「見送り」という評価(これはめったにない)なら、死なない
ということになっているのです。
けれど死神にとって、死そのものには何の興味もありません。
あくまで仕事なんです。
調査する人間に近づいて、より詳しくその人を知るために
姿かたちを変え
その人に近づき、親しくなっていきます。
死神なので
人間の言葉とか、習慣だとか、常識だとか
そういうのが、時にすごくずれているのが
面白かったり、親しみを持てたりします。
人が死んだり、殺されたり、暴力が出てきたりするんだけれど
なんかちょっと間抜けで、ゆるくて
その辺、伊坂幸太郎ワールドです。
「吹雪に死神」は
完全にアガサクリステイ―「そして誰もいなくなった」のパロディーで
ここに死神を登場させたことで
全く違うミステリーになっています。
私が特に好きだったのは
「旅路を死神」という話。
母親をナイフで刺して、大通りで殺傷事件を起こした犯人が
死神と一緒に、ある目的のために旅をする話で
この話が、一番伊坂幸太郎さんっぽかったし
最後の終わり方も、すごくよかったです。
6話目の
「死神対老女」
この最後の物語が、またじわっとくる話で
最後の最後で何とも言えない余韻を残し
完全に心を持っていかれます。
伊坂幸太郎さん、すごいわ。
感動しました、
一気読みできます。
本当に面白い。
おすすめです。
コメント
早速読んでくださったのですね。
お勧めしたものの、実は随分前に読んだので、内容はおぼろげにしか覚えてなかったのです。この読書日記で、少し思い出しました。
浮世絵離れした「死神」がとる行動が面白く、クスッと笑わされます。名言もたくさんあったような…
早速再読しようと思ったのですが、奥薗さんがまだ読まれてない「流浪の月」を読み始めたばかりなので、次ですね。因みにこの本は伊坂幸太郎ファン仲間が勧めてくれました。彼女は「死神の精度」と「ガソリン生活」推しだったのですが「逆ソクラテス」が加わり、1つに選べないと嘆いてました。「ガソリン生活」は主人公が車。車目線で話が進んでいきます。私もお勧めです。
面白い本を教えていただき、感謝です。
いやあ、本当に面白かったし、後味というか余韻も最高に良かった。
名言もたくさんあって、たくさん付箋をつけました。
また、読み返したくなります。
ガソリン生活、是非読んでみたいです。
またまた、いい情報、ありがとうございます!!!