家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
一年以上前から話題になっており
ずーっと読みたいと思っていた本を
ようやく読むことができました。
「ザリガニの鳴くところ」(ディーリア・オーエンズ著 友廣純訳 早川書房)
全米で500万部突破の
2019年アメリカで最も売れた本なので
去年、書評やら、本屋さんやらですごく目にしたし
今年の本屋大賞では翻訳部門で大賞を受賞!!
これはもう、読むしかありません。
ということで、読んでみたら
まあ、面白い!!!!
最初から、一気に引き込まれて
最後まで夢中になって読みました。
物語は、二つの時間軸が
それぞれ交互に進行していきます。
一つは1969年
チェイス・アンドリュースの死体が発見されるところから始まります。
事故か、事件(殺人)か?
こちらの時間軸では
保安官の取り調べが進み、
様々な証言や状況証拠により、少しずつ状況が明らかになってきます。
もう一つの時間軸は
1952年から始まります。
6歳のカイアは、父、母、兄弟と沼に住んでいるのだけれど
酒を飲んで暴れる父親に愛想をつかし
母と兄弟たちが家をでていきます。
暴力をふるう父も、やがていなくなり
カイアは、一人で生きることを余儀なくされます。
こちらの時間軸は
そんなカイアが、一人で必死で生きる、成長物語でもあります。
そうして、この2つの時間軸が、交互に展開されていくにつれ
チェイスの殺人の容疑がカイアに向けられていきます。
チェイスは、なぜ死んだのか。
カイアは、それに関与したのか。
この物語は、
カイアが、子供から大人へと成長していく話として読んでも
最高に面白いのに、
そこに、ミステリーの要素が濃厚に入り込み
また、沼地にすむ生物たちの話として読んでも
ものすごく興味深い部分も多々あり
また、(これはネタバレになるけれど)
カイアが殺人容疑で捕まった後
陪審員による裁判を受けるシーンの
検事と弁護士のやり取りも、最高に面白く
何重にも何重にも、人を引き付ける要素がびっしりと詰まっています。
そうして、最後の最後まで
この真相は、まったくわからず
最後の最後で、嗚呼あああああ~~~~~~~~ってなります。
最初の一ページ目から、最後の1ページまで
ずーっと面白いです。
あっぱれ、素晴らしい。
こんなすごい小説、今まで読んだことがないくらい
素晴らしかったです。
ちなみに、タイトルの“ザリガニの鳴くところ”
というのは
生き物たちが、自然のままで生きているところ
という意味。
人間も、ありのままの居心地のいい暮らしをしたらいいのに
不自然に、無理を強いられたり、本来の場所から追い出されたり
同じ人間なのに、暮らす場所が区別されたりしています。
同じ人間なのに、
人間が、人間を追いやって、
自然のままに生きられないようにしている。
カイアは、差別も偏見もなく、誰かに暮らしを脅かさられることもなく
自然に暮らせる場所を求めて
賢く、生き抜こうとしたんだと思う。
カイアはかしこい女性です。
賢さとは、そういう事だと、改めて思いました。
ミステリーなので
あまり詳しくあらすじが書けないのがもどかしいですが
本当に、本当に素晴らしい作品でした。
これは、一読の価値あり
今のところ、今年読んだ本の中で、一番よかったです。
本当におすすめ。
カイアを思うだけで、涙が出ます。
コメント
外出を控えていたせいで、しばらく書店から足が遠ざかっていたのですが、昨日久々に本屋さんへ行ってきました。
久しぶりだったせいか、もう、読みたいと思う本が沢山ありすぎです。選ぶのにホント困りました。
迷いに迷い、単行本を3冊購入!そのうちの1冊は「ザリガニの鳴くところ」にしました。(読むのが楽しみ💛)
今やネットで本を購入する人が多いらしいですが、私は本を手に取り選ぶことが好きなので、やっぱり本屋で購入派です。
本屋さんはいいですね。
本が増えて置き場に困るので、私ね電子書籍も利用しているのですが
やっぱり、紙の本で読む方が、本の世界に入り込めて好きです。
特に小説は。
ザリガニの鳴くところ、これは、本当によくできた話で、おすすめです。
是非、感想を聞かせてもらいたいです。
最後の最後まで、ハラハラドキドキ、そして切ないです。