でいりいおくじょのBLOG

2013.02.18

べんの先生の便の本

うんちの話をされているべんの先生を初めてテレビで拝見した時は
一瞬冗談かと思いました。
便のスペシャリストの先生のお名前が、辨野義己(べんのよしみ)って。
うんち博士としてすっかり有名になられた辨野先生。
この前本屋さんで本を物色していたら先生の新刊本を見つけたので
早速読んでみました。
 
大便通 
知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌
(辨野義己著  幻冬舎新書)
 
この本によると
辨野先生は、辨野という苗字だから便の研究をしようと思われたわけではなく
もともとは獣医学が専門
動物の常在微生物の研究をされていたそうで
その後、
腸内細菌研究の第一人者である光岡知足先生という方に研究を手伝って欲しいと請われ
大腸癌に関する腸内細菌の研究が、これからの世の中で役に立つに違いないということで
人間の健康の方に方向転換されたそうなんですね。
 
それがなぜウンチのスペシャリストになられたのかというと
腸の状態を知る、最も有効な手がかりがウンチで
だから、毎日、顕微鏡でウンチの中の微生物を分析研究されているそうなのです。
 
大便というのは大部分が食べ物のカスだと思われているけれど
実は90%以上が水分で
食べ物のカスは、その残りの固形分の1/3に過ぎず、
残り1/3は、新陳代謝で剥がれ落ちた腸粘膜で
1/3は腸内細菌なんだそう。
 
大腸の中には実に1000種類以上の菌がいて
有益なのもいれば有害なのも、どっちつかずのもいる。
 
いわゆる善玉菌というのは
食品の中の糖類を分解して乳酸やアルコールなどを作る菌で、その代表選手は乳酸菌。
腸内環境を酸性に保ってくれるそう。
 
一方悪玉菌は
タンパク質やアミノ酸などを分解して硫化水素やアンモニアを生じさせる菌のことで
代表格はウェルッシュ菌。
 
自分の腸の状態を知るためには
便やおならの臭いも重要になってきて
臭いが強くなっている時は、悪玉菌が優勢になっていると考えたほうがいいようです。
 
で、悪玉菌が優勢になる原因の1つとして考えられるのが
肉の食べ過ぎ
 
つまり大量の肉を食べれば
そのタンパク質やアミノ酸を分解できる悪玉菌の天下になるわけで
悪玉菌から生じる硫化水素やアンモニアの臭いが
すなわち、便やおならの臭いになる、というわけなのですね。
 
そう考えると
糖質を極端に制限して、肉食中心に変えてしまうと
血糖値をあげないとか、すい臓に負担をかけないとか
そういう面から見えれば、いいのかもしれないけれど
腸内環境の面から見れば、どうなんだろうかという疑問が浮かびました。
 
癌による死因のうち
大腸がんは男性で3位、女性で1位。
 
大腸がんは、なにか特定の菌が引き起こすのではなくて
腸内にいる悪玉菌のネットワークのようなものがはびこって
そこから生み出されて有害物質が腸壁に作用することで起きるというのが先生の考え。
 
健康になるために、
何を食べたほうがいいとか、あれがこれに効くとか、という言い方をしますが
 
そういうことだけではなく
食べて出すという、大きなサイクルの中で
腸の中の悪玉菌のネットワークを断ち切って
善玉菌のネットワークを強化する
そんなことも気にしながら
日々の食事を見なおして見ることも大事なのかも
 
また、何を食べるかってことと同じくらい
食べた後、出てきたものの状態をチェックするというのも
とっても大事なんだんだと、あらためて思った次第。
 
日本人(80歳まで生きるとして)一人あたりが排出するお弁当の量は平均およそ8.8トンだそうです。
 
臭いもの、汚いものとして、見ないようにするのではなくって
きちんと付き合っていかねばと思った本でした。

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