家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
レシピに、生鮭(切り身) 2切れ
と書いたら
生鮭って何ですか?
と聞かれました。
生鮭って、通じませんか?
塩鮭に対して
塩をしてない、生の鮭を生鮭っていうのですが
スーパーで普通に切り身で売っているやつです。
確かに、サバとかアジとか
塩をしたり干したりしたものに対して
塩をしてないものを生鯖とか、生アジとは言わないから
これって間違った言葉を使っているのかも・・・
だんだん自信がなくなってきて
他の料理研究家の先生のレシピを見たり
料理雑誌を見たりしたら
生鮭って言葉が普通に使ってあったので
ああ良かったと一安心。
でも、その後、
サーモンって、生鮭ですか?
って聞かれたんです。
アトランティックサーモンとか、トラウトサーモンって書かれて売っているやつ。
サーモンは、日本語に直せば鮭だけれど
レシピに生鮭って書いてあると
サーモンでいいのかどうか、分からないって言われたんです。
そうか、そういうことでも迷っちゃうんですね。
勉強になります。
全然話は違うけれど
今、確定申告の時期で
税理士さんから、○○という書類が見当たらないのですが
手元にないですか?
とか
☓☓が必要なんですが、発行してもらって下さい。
とか言われるのですが
○ ○とか☓☓が何を表しているのか、さっぱりわからず
どこで誰にどう言えば発行してもらえるのかも、ちんぷんかんぷんで
途方に暮れることあります、私。
つまり、そういうことなんですよね。
その世界にいる人にとっては当たり前に使っている言葉で
専門用語とか、そういう言葉という感覚さえなくても
その世界にいない人にとっては
全く普段使っていない言葉なので
当たり前に会話の中でつかわれると、???状態になる。
で、話をサーモンに戻しますが
一応、海で育って川に上がってっくるのをサーモン
淡水で育つのをトラウトというらしいのですが
日本では、サーモン=鮭 トラウト=マスと言う認識になっているとか
じゃあ、アトランティックサーモンはともかく
トラウト・サーモンって何?ってことですよね。
ややこしいですね。
生物学上のことを調べるとややこしいので
とりあえずアトランティックサーモンとか、トラウトサーモンは
養殖の鮭です。
もちろん秋ごろに出回る秋鮭とか、銀鮭とか
塩をせずに売られていれば
それらは全て生鮭、ということになります。
鮭は日本の家庭で買われる鮮魚の中ではトップで
世界の漁獲量の1/3を消費しているそうです。
ちなみに鮭ってエサの関係で
身体の中にアニサキスやサナダムシなどの寄生虫がいるので
基本的に生食はできなかったんですね。
ところがトラウトサーモンは
品種改良やエサも改良して生食できるようにした鮭なので
スーパーでも刺身用の鮭として売られているし
寿司ネタとしても鮭が食べられるようになりました。
寿司ネタの鮭って、私も大好きですが
考えてみたら、子供の頃、生の鮭のお寿司とかお刺身とか
食べたことなかったと思いません?
いずれにしても鮭はEPA,DHAと言った体にいい油が豊富だし
赤い色素は、強い抗酸化作用があるそうで
アンチエイジングの強い味方です。
鮭養殖の一大産地のチリでは
それによって多くの雇用が生まれて経済効果も大きく
また、世界人口の増加による食料不足のことを考えても
養殖によって食料が確保できるのはありがたいこと。
けれどその一方で、
養殖による水質の汚染の問題や
あるいは、鮭1キロを生産するのにアジやイワシなどの魚が5キロもいるので
チリ近郊での生態系に影響がでているとか
そんな話も目にします。
やっぱり良いことと悪いことは裏表にあるわけで
でも、消費者としては
なんとか、不都合を改善すべく努力して頂き
安くて美味しい鮭が手軽に食べられることを願うばかり。
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