でいりいおくじょのBLOG

2012.01.20

いなり寿司

まだ新米ママだった頃
息子も一人で
いろんなことが新しくて
はじめての子育てに無我夢中で

妊娠中には子育ての本をいっぱい読んで
自分の中では理想の母親像があって
なにもかも完璧にやらなきゃと思って
かなり前のめりで力が入ってて。

料理も全て手作り
おやつも全て手作り
スープもきちんと鶏ガラからきちんととって
良い母親とはそういうものだと、
信じて疑っていませんでした。

けれどある時、友人が言ったんです。

台所にこもって
料理もお菓子も全て手作りしてくれる母親と
公園で一緒に遊んでくれる母親と
どっちが子供にとって幸せかと考えるとね
私は、公園で遊んでくれる母親のいる子のほうが
幸せなんじゃやないかと思うんだよね。
自分が子供だったら
絶対そうだと思うんだよね。

私、頭から岩石が落ってくるほどの衝撃を受けました。

たしかにそうだと思ったんです。
子供の幸せは、
子供自身が心で感じるもの。
親が頭で考えるものじゃない。
私がそうだと思うものは
大部分が私の自己満足かも。

正しいとか、間違っているとか
答えはないだろうけど
自分がやっていることは
違っているかもしれない。

でも私
自分が描いた母親像を
やっぱり全部捨てることはできなくて
それは自己満足かもしれないけど
そういうのがなかったら、母親やってられないじゃない?

だから、自分の理想像とこどもが感じる幸せと
2つを天秤にかけて
上手くバランスを取って暮らすにはどうしたら良いかと考えて
料理の無駄な手間を省いて、どんどん簡単にして
今の料理に行き着いたというわけ。

なるべくムダなことをしないで
手早くできておいしい物を作る
そしてその余った時間を
できるかぎり子供たちのために使いたかった。

ところが、子供が成長して
もはや私が子供の為に使ってあげる時間など必要なくなってくると
今度は、あの頃ムダだと思っていたことの中に
なんと多くの幸せがあったのかということがわかってきたんですね。

ゆっくり煮物を作るとか
ゆっくりパンを発酵させるとか
ゆっくり油揚げを煮るとか

だから昨夜は、おいなりさんを作りました。
ゆっくり油揚げに味を含ませて
すし飯も、ゆずとわさびと二種類作って

我が家のいなりは
一枚の油揚げを4つに切って作るので一口サイズの小さめです。
すし飯も小さく握らなければならないので手間なんですけど
それが、最近はちょっと楽しかったり。

家庭料理も幸せの形も
日々変わっていきます。

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