でいりいおくじょのBLOG

2021.09.06

読書日記「パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら」

もともと、乱読気質なので

何の脈絡もなく、手あたり次第読みまくっています。

 

ちょっと前、自転車で世界を一周する話を読んでから

外国にちょっと興味がわきまして

手に取ってみたのがこれ。

 

「パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら」(中島たい子著 ポプラ社)

 

著者の中島たい子さんの「漢方小説」というのを読んだことがあって

マニアックで、文章も面白く一気読みしたことがあったので

別の小説を読む気満々だったのですが

なぜか、目に入ってきたのがこの本だったのです。

 

これは小説ではなく、エッセイ(と言っていいのか)風の読み物です。

 

中島たい子さんのおじさんがフランス人女性と結婚してフランスに住んでいて

ハーフのいとこがいて

子供の頃から、フランスは身近な国であった中島さん。

 

だから逆に

フランスに特別なあこがれや幻想がなく

子供の頃から、ちょっと冷めた感情をもっておられたみたいなんです。

 

その中島さんが

大人になって

おじさん一家が住むフランスに行き

そこで過ごしながら、見たこと、感じたことを書いたのが、この本です。

 

フランス流の

日々の料理の作り方や

おもてなしの仕方、

買い物の仕方

オシャレの仕方、

掃除の仕方

 

等等、実際にそこで一緒に暮らしながら経験されたことを

つぶさに記録して書いておられるので

かなりリアリテイ―があります。

 

それはそれで、読みごたえがあって面白かったのですが

私がこの本を読んで一番感じたのは

フランス人と日本人の違いでした。

 

フランス人は、自分の気持ちを最優先にして

自分が心地よかったり、楽しかったり、美味しかったりすることを基準に考える

そこがステキに思えましたねえ。

 

誰かにおしゃれだねって言われたくて

オシャレをしているんじゃなくて

自分の着たいものを、着たいように組み合わせ

自分が心地いいと思う着こなしをする。

 

日本人(私の事ね)は

今、これが流行っているから流行に乗り遅れないようにとか

誰かのまねをして、ステキに見られようとしたり

誰かの着こなしを参考にして真似てみたりとか

 

それは、ファッションの事だけじゃなくて

どう暮らすかとか

何を食べるかとか

どこへ行って、何を見るかとか

全てにおいてそういう傾向があるように思います。

 

自分が好きだという事より

どうおもわれるか、どうみられるか

他の人はどう感じているか

多かれ少なかれ、日本人(しつこいですが私の事ね)はそれを考えて

とりあえず、大きく外れていないことに安心しがちな気がするんです。

 

何かを買うにしても

お店に行くにしても

 

本を買うのも

映画を見るのも

他人の評価が気になって

それをチェックしないと、不安になる。

 

それって、

自分が好きかどうかってことより

みんなと大きく外れていないことや

大きく失敗しないことを優先して

 

自分が好きか嫌いか

自分がどう感じるかを、後回しにしているなあって思う。

 

フランス人は

自分の感覚を大事にして、その気持ちに素直に暮らしている人たちなんだと思いました

 

自分の好きなものを好きって思える事

そういうことが、ステキだなあって思い

そうありたいなあと、思った本でした。

 

2021年9月5日本

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