家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
一冊一冊の本が出来上がるまでには
それぞれに物語があって
それをお話したいと思っているのですが
その前に、この夏の私自身の物語を少し。
実はこの夏
暑かったせいなのか、更年期によるものなのか
いつになくちょっと夏バテしました
なんとなく体もだるく
目の前のやらなければならない作業の量を思えば
片時もだらだらする時間など無いはずなのに
一向にやる気が起きず
でも気持ちだけはどんどん焦って追い詰められ、
そうなるとTVを見る時間も削り、ウオーキングの時間も削り
それでも仕事がはかどらないと
自分の仕事以外の時間をどんどん削っていくしかなく
それでもやっぱり時間ばかりがムダに過ぎて、作業は進まず。
ますます追い詰められるという悪循環。
そんな時に
たまたまつけていたテレビに渡辺和子シスターが出ておられて
渡辺和子シスターというのは
ノートルダム清心女子大学の理事長で
今ベストセラーになっている
『置かれた場所で咲きなさい』の著者。
この本は出版されてすぐに読んでいたので
あらためてシスターのお姿を拝し、
お話を聞くことで「ああ・・」と気づくことがたくさんあったんです。
その1つは「くれない族」の話。
シスターは36歳で学長に就任されるんだけれど
いろいろご苦労されたのだと推測できますが
50歳の時にうつ病になられるんですね。
で、うつ病になった自分を振り返って
自分はくれない族になっていたとおっしゃったんです。
挨拶をしてくれない
感謝してくれない
わかってくれない
自分のために何もしてくれない
くれない族になってしまうと、本当のことが見えなくなってしまう。
どんどん自分を追い詰めて、自分で自分を不幸にしてしまう。
ああ、これってまさに自分のことだなと思ったんです。
くれない族になった途端、
あらゆることがマイナス思考になって、めんどくさくなる。
それではいけない。
自分で自分をどんどん追い詰めていって、
正しく見ることができなくなってしまうんですね。
家族が感謝してくれないと思うと、
なんで自分一人こんなしんどい思いをしなきゃと設け土
ちょっと冷静に考えれば、
家族に感謝されるために仕事してるわけじゃない。
自分でやりたいから仕事しているわけで
家事だって、自分が快適に暮らせるように
居心地良く暮らすために、やっているだけだし
料理だって、一人分作るより多めに作ったほうが美味しいわけだし
買い物に行くおかげで、ジムに通わなくても運動ができるわけだし。
そうだ、ジムに行ったことにして、前から欲しかったあの靴を買っちゃおう。
そう考えると、
くれない族になるか、そこから抜け出せるかは
周りのせいではなくて、自分の気持ちの持ち方だけのことで
以来、
家にこもって、化粧もせずに、うんうん唸って仕事をするのはやめて
ヤル気のでない時は
ちょっとおしゃれでもして、ちょっとお散歩して
可愛いカフェなんか見つけたら、
入ってそこでパソコンを広げて仕事をすることにしたんです。
要は、自分をおだてて、いい気分にさせて
今日もいい日だったなと思ったら、
くれない族にはならずに済むってことがわかったんですね。
くれない族をやめたら
毎日が楽しくなって、仕事もどんどんはかどって
そうして、今に至っています。
もし今、数カ月前の私のように
なにか追い詰められるように、どんよりとした気持ちを持っている人がいたら
言ってあげたいです。
くれない族になっていませんか?
くれない、って言葉をやめたら
その瞬間から、目の前の世界がみるみる明るくなるかもしれませんよ。
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