でいりいおくじょのBLOG

2021.09.29

とろろ昆布って奥が深い

「もっと使える乾物の本」(農文協)

という本を書いた時

乾物のことを勉強するために、

乾物を作っている方や、乾物のメーカーさんに

片っ端から電話をして、乾物について教えていただきました。

 

当時、

まだ子供が小さくて、乾物の生産現場を見に行くことができなかったため

電話で取材するしかなかったのです。

 

その後、

もっときちんと乾物のことを勉強したいという思いがあり

子供が少し大きくなったころ

コツコツ地方に出かけ

できる限り、乾物作りの現場に出かけ、自分の目で見て

いろいろ勉強させていただきました。

 

とろろ昆布の工場も

その時に見学させていただいたことがあります。

 

おぼろ昆布は、職人さんが手で削られるのですが

とろろ昆布は、機械です。

 

広い工場の中に、昆布の挟まった機械が何台もあって

それぞれの昆布の上を大きな刃が行ったり来たりして薄く削っています。

 

その光景は、かなり圧巻でした。

 

加えて

その時に伺った話によると

 

とろろ昆布を削る刃物って

薄く削れるように、特殊な形になっていて

しかも薄く削る必要があるために摩耗も早く

1時間だったか2時間だったかに一回はを取り替えないといけないらしく

それが大変だとおっしゃっていました。

 

その刃の取り換え作業と、

取り替えた刃を研いで再び削れるように研ぐ作業と

これは、かなり手がかかるようです。

 

だから、とろろ昆布も、おぼろ昆布も

あの薄さは、芸術だなあと

いつも思います。

 

そして

こういうのって、やっぱり日本人っぽいなあって思います。

勤勉で、まじめで、几帳面で

そういう要素がないと、とろろ昆布は作れない気がするなあ。

 

だからこそ、大事に頂きたいなあって思っています。

 

今日は、YouTubeで

とろろ昆布と、おぼろ昆布の話をしました。

とろろ昆布を使った豆腐のいそべ焼きも紹介しました。

 

日本の乾物。

面白がって、料理する人が増えればいいなあと思います。

 

(1285) もちもちおいしいいそべ焼き。お餅を使わず、豆腐で作っちゃいました。奥薗流の乾物技がポイント。 – YouTube

 

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