家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
ずーっと家にこもって仕事をしていて
唯一の気分転換は読書。
最近読んだ
「料理の旅人」
(木村俊介著 株式会社リトルモア)
は、けっこうモチベーションがあがりました。
この本は、50代から60代の現役料理人に
料理人になるきっかけや、修行時代のこと
お店を経営する苦労や失敗談
また料理に目指すもの、などをインタビューしまとめたもの。
料理を始めるきっかけは人それぞれあるけれど
何れにしても、若い時はただただがむしゃらに働いて
ひたすら前を見て料理の道を進み
そして、ある時、はたと立ち止まる。
それが殆どの人に共通していること。
20~30代にかけてがむしゃらに働いたあと
40~50代になると
ただ料理が好きとか
美味しい物を作って、人に喜んでもらえたら幸せとか
お金をたくさん儲けるとか
そういうことだけでは、料理を作り続けられなくなる
わかる気がします。
料理の本質が見え始めた時から
ゴールのない、底なし沼のようなところに入り
若い時には勢いで乗り越えられたことが
料理が分かり始めると、もはや昔とは同じようにはできなくなる。
時代の流れもある。
かつては、最も新しく、驚きのあった料理も
時代の流れの中で、古くなっていくのはしかたのないことだとしても
それをいかに、自分の中で再生して
常に新しさを取り込んでいくのか。
料理人と、料理研究家は
お店経営とか従業員とか、材料調達の問題とか
負っているものが全く違うし
目指す役割もぜんぜん違うにしても
ある年齢に達した時におおきな壁にぶつかり
それを乗り越えなければ、その先には進めないということは、同じで
それを乗り越えるための手っ取り早い方法はなく
それまでやってきた延長線上に
ぶれない自分の料理に対する思いや価値観を丁寧に重ねていくことでしか
新しい道を切り開くことはできません。
そういうことだとわかっていたつもりだったけれど
やっぱり、そういうことなんだということはよくわかり
かなり、参考になりました。
又コツコツがんばろうと思える、一冊でした。
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