家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
娘が来年成人式を迎えるので
振袖をどうしようかという問題が
段々現実味を増してきました。
数カ月前
京都に帰った時にデパートに行って
一応、どんな振袖がいいか
娘と一緒に下見して、試着させてもらったりして
一応のイメージは、つかんだのですが
実際問題
買うのか借りるのかとなると
ちょっと迷うところ。
マンション暮らしだと
買った着物の収納が悩みどころなのです。
和ダンスがないし
マンションって意外に結露とかもあるので
着物をしまうには不向き。
実際私の着物は
全て実家に置きっぱなし
必要な時だけ宅急便で送ってもらっている状態。
そんなことを考えていると
そうだ、私の振袖があるわ、ということになり、
試しに来てみる?
ということで、
実家から送ってもらうことにしました。
実は私の振袖は
沖縄の伝統染物である紅型。
京都だから、手描き友禅の振袖にすればいいものを
なぜ、紅型だったのか。
あの当時、
沖縄の紅型自体、知っている人はすごく少なく
その振袖を着て歩くと
染物関係の人に必ず呼び止められ
写真を取られたという、超レアモノです。
何故道行く人がそれほど珍しがるのか
あの当時わからなかったのですが
考えてみたら、紅型の振袖というのは
今でもかなり珍しいのですから
あの当時なら尚更。
染物関係の京都の人にしても
初めて見るものだったのかもしれません。
今回送られてきた振袖を、久しぶりに見ると
地色の紫色に、赤や黄色の花
紅型の伝統的な色調ではあるけれど
かなりイカツイ。
20歳の子が選ぶにしては、かなりシブイ。
可愛らしいピンクとか赤とかではなく
敢えてこの紅型を選んだ
20歳の頃の私。
優柔不断で人に流されやすく
愛想がいいことしか取り柄のない
どこにでもいるようなごく普通の20歳の女の子。
ごくごく平凡な専業主婦になることを望んでいた私が選んだ、
大人になるための通過儀礼としての着物。
平凡でありたいと思っていたはずなのに
どういうわけか、その後
どう考えて普通じゃない破天荒な人生を歩むことになりました。
私の中に、自分でも気づかない普通じゃない部分があって
あの振袖を選んだ時点で、
その普通じゃない部分のパンドラの箱を開けてしまったのかもしれません。
でもそのおかげで
退屈する暇のない人生ですから
きっと良かったんだと思います。
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