家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
ポトフというと
なんとなく具沢山のスープのイメージですが
私は、そうは思いません。
具沢山のスープでもありますが
ゆでた具と、美味しいスープ、二つの料理が合体したものなのです。
???って思うかもしれませんが
鍋の中に入っているものを一つ一つ分けて考えてみて下さい。
鍋全体を見るのではなく
一つ一つの具、そしてスープという風に見るんです。
そうすると、だまし絵みたいに、全く違う料理に見えてくるはずです。
実は、
ポトフを初めて知ったのは
もう何十年も前の事。
小学生か中学生くらいの時
自分としては、かなり本格的な本を見ながら作ったのを覚えています。
かたまり肉と、玉ねぎやニンジンやじゃが芋(大きいまま)とを水と一緒に鍋に入れ
コトコト煮込んだようなものでした。
ゆであがった肉を取り出して食べやすく切り
柔らかく煮えた野菜も食べやすく切り
ソースを添えて食べる。
スープはスープで飲む、という感じでした。
味付けがよくわからず
肉は脂も旨味も抜け
野菜に特に味がついているわけでもないので
正直、私の中では
ポトフって、なんか美味しくないなあ。っていうイメージで
食べ方もよくわかりませんでした。
ところが、その後
食の歴史を調べていくうちに
ポトフというのは
なんて革新的な料理だろうと思うようになりました。
さらに言えば
歴史の流れの中では当然発明されるべき料理だったともおもいました。
スープなんだけれど、ただのスープではない
肉や野菜をゆでて、ゆで汁を上手に利用して楽しむ
なんともお得な料理。
ゆでるが煮ると違うところは
加熱することで柔らかくなるのは同じなんだけれど
薄味で加熱することと
具材を引き上げることで
煮汁が使えるという事なんです。
特に肉をゆでた場合
ゆで汁は旨味や脂が溶け出し、美味しくなります。
肉を焼いたら、溶けだして滴り落ちる脂が
もれなく全部おいしく食べられて、無駄がない。
これを発見した人は、おおーって思ったと思う。
それを日常の料理にまで洗練させたのがポトフじゃないかと思うんです。
今では、ポトフと言えば
大ぶりに切った具材がごろっと入ったスープ
っていうイメージですが
具沢山のスープとして楽しむだけじゃあ、もったいないと私は思います。
具は具、スープはスープとして
別々に楽しむこともしなくっちゃ。
そうすれば
一つの料理が2倍も3倍にもなって、めちゃお得じゃないですか?
更に、その後
私のポトフは
余熱調理という料理法とつながって
めちゃ簡単に、美味しく作れるレシピとして進化を遂げました。
今日のYoutubeでは
万能鶏むね肉と玉ねぎという、とってもシンプルな具材で作るポトフを紹介しています。
めちゃ簡単で、めちゃおいしくて、めちゃお得なので、
是非是非お試しあれ。
(332) 加熱5分!とろりと煮えた玉ねぎがたまらんおいしさ。極上スープと具、それぞれに使いまわすレシピ付き!<万能鶏むね肉と玉ねぎのポトフ> – YouTube
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