でいりいおくじょのBLOG

2022.03.24

読書日記「詩集 幸福論」

最近、何かにとりつかれたように

手当たり次第に本を読んだり聞いたりしていたのですが

たぶん、本当に欲しているのは

本に書かれた知識ではなく

言葉なのではないかと気づきました。

 

言葉に飢えているというか

言葉が持つ想いに飢えている感じ。

 

そんなわけで、久しぶりに詩集を開いてみました。

 

「詩集 幸福論」(若松英輔著 亜紀書房)

 

若松先生のご著書は、これまでに何冊も読んでいて

どれも私にとっては大事な言葉がたくさん書かれているのですが

詩の言葉は文章の言葉とは、全然違う力があります。

 

この本は、

もともと、

先生が幸福というテーマでエッセイ本にしようとされていたようなのですが

うまくいかず

最終的に詩という形になった、という風にあとがきに書かれています。

 

それはつまり

幸福というものについて

言葉を超えた何かで伝えようとされたんという事だと思います。

 

実際、読んでみると

(詩というものを読むのは本当に久しぶりでした)

言葉の一つ一つが、何か深いところにしみわたる感じがして

なんとも言えない不思議な感覚を経験しました。

 

実際、

はっと気づいたら、ボロボロ泣いていました。

 

悲しいわけではなく

なんか心の深い、柔らかいところにそっと触れられた感じがして

知らず知らずに抑えてきた感情が外に出てきたような感じ。

 

すっと読み飛ばしてしまうような

さりげない言葉が

実は、ものすごい力を持っている

そんなことを、改めて感じることができました。

 

言葉と向き合う事は

自分と向き合う事なんだなあ。

 

帯に書かれている

忙しすぎては いけない

という詩は

本当に身につまされました。

 

幸福というのは

これが幸せだって言えることではなく

心の奥の深いところで、ふっと感じる何かであり

日々うつろい、おぼろげで、はかなくて、

だからこそ愛おしいなにか

そういうものなのかなと思いました。

 

その温かいものはすでに自分の中にあり

それを見落としていたり、忘れていたりするだけなんだ

ということを思い出させてくれる一冊

おすすめです。

 

幸福論

 

幸福論2

コメント

  1. べっちゃん より:

    奥園先生の最初の一段落、思いっきり共感しました‼️
    心理学的にも、人間の行動には意味があると知識として持ち、しかもそれを教える資格ももつ立場で、自分の事に気がついたのは最近というワタクシですが・・・
    (とはいえ、じゃあ どうしたいがピンとこず、はや1年)

    先生とは違うかもですし、上手く言えないけど。わたしの半世紀は回りの期待像なのか頼られる事が多く、その理想像に向けて頑張りすぎていた事にうっすらと気づいて退職した矢先、子供がわりに長年居てくれた愛犬の介護や逝去後の日々の中で行ったり触れた様々な事で同じ想いを抱きました。

    でも私は運良く昨年、奥園先生のYouTubeに出会い、全部完璧は気が狂うしお金もかかるけど、程よく手抜きができて(ここの匙加減がわたし的には尊敬です)美味しい家族とそれを維持できる自分のための料理方法を教えていただき救われています。

    ストーカーのように長くなりましたが、どうしてもありがとうを伝えたくて

    1. 奥薗壽子 より:

      うれしいコメント、ありがとうございます。
      とても励みになります。
      想像するに、同じ年代だとすると
      この年代の人間って、やっぱりどこか真面目なんだと思います。
      真面目なんで頑張りすぎてしまい
      いい感じの手の抜き方がわからないんですよね。
      私も日々試行錯誤です。
      うれしいコメントで、私の方も元気を頂きました。
      これでまた、頑張れそうです。
      感謝感謝。

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