家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
若松英輔先生の本をもう一冊
「言葉の羅針盤」(若松英輔著 亜紀書房)
生きるという事は
海のような場所をどう漕ぎ進んでいくかということで
地図のない海を漕ぎ進むための羅針盤になるのが
言葉である。
というのが、この本のタイトルなのです。
この本は
様々な本の中から
生きる方向や、生きる意味や、悲しみや苦しみや乗り越える力になる言葉を
拾い集め
そっと、差し出してくださっている本です。
本を読むという事は
膨大な知識を詰め込むことだと思いがちだけれど
(いや、確かにそういう読み方が必要な時もあります)
本当は、そこにかかれが言葉を味わい、慈しむことが大切なんだなあということを
しみじみと思いました。
それから、
「読むこと」と「書くこと」は、呼吸の様に対になっているもので
ついつい「読む」方ばかりに目を向けがちだけれど
本当は、いったん自分の中で消化して、
それについて書いてみることも大事だということもよくわかりました。
自分自身を振り返ると
読むことばかりをやっていて
いってみれば過呼吸状態
言葉を味わうよりも、なんかもうお腹いっぱいで
お腹いっぱいなのに、満たされない。
息を吐かなければ、吸うことができない。
読むことと同じくらい
きちんと書くことに向き合ってみよう、
そう思えた一冊でした。
この本の中にも
本当に、たくさんのいい言葉が出てきて
たくさんたくさん付箋をつけ
ノートに書きだしました。
心にしみる言葉ってあるんだなあ。
たぶんそれは
ただ、荒削りのままの言葉とは違い
きちんと、整理され、心にすとんと入るように
書いておられるからなんだということを
あらためて感じ
そのことが、ますます心を温かくしてくれる本でした。
昨日紹介した「幸福論」と合わせて
この本もおすすめです。
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