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天かすって、標準語だと思っていたら
関東では揚げ玉っていうんですね。
天ぷらのかすより、揚げ玉のほうが、ちょっとしゃれた感じがしないでもないね。
その天かす。
天ぷら屋さんで粉自由にお持ち帰りください、って書いて
小さな袋に入っておいてあったりすると、絶対もらって帰ります。
天ぷら屋さんの天かすって、いろんなものを揚げた香りがついているから
一味違う感じがするんよね。
天かすがあると、うどんに入れたり、おつゆに入れたり
ちょっと入れるだけでコクが出て美味しくなる。
なので、家でてんぷらをしたときには、残った衣で天かすを作っておくの。
作り方は簡単で
お箸を4~5本持って、衣の中でぐるぐる回し
油の上でさっさっと振れば、衣がぱらぱらっと散って、小さな衣がふわーっと膨らんで揚がってくる。
そのまましばらく待ってるとカリッとなるので、網じゃくしですくえばおしまい。
揚げるときは、カリカリになるまでじっくり待つのがコツで
ふにゃっとしてるうちに引き上げたら、時間がたってもふにゃのままなんで
なんか脂っぽくておいしくない。
家でてんぷらした後に、もう一仕事するのかと思うと、ちょっとめんどくさい感じがするけど
天ぷらの衣って、たいてい多めに作って、余らせることが多いので
余った衣を天かすにすると腹をくくれば
最初から、思い切って衣を多めに作っても、
あとで天かすにすればもったいなくないわ、
という風に考えられるので私はいいと思うんやどね。
作った天かすは、キッチンペーパーの上に広げて、油を吸わせながら完全に冷ましたら
冷凍保存用の袋に入れて冷凍。
これで2~3か月は大丈夫。
家でてんぷらをするサイクルと、天かすがなくなるサイクルとが
いい感じであっていたんだけれど
ある時、急に天かすが必要になって
仕方なくスーパーで売ってる市販のやつを買ってみたわけです。
仕方なくっていうのは
天かすなんて、余った衣で作るもん、と思っていたから
売っているのを買うのって、なんかちょっとばかばかしいと思ったんです。
でも、使ってみて、びっくりしましたね~。
めちゃおいしいの。
私が作っている天かすより、
うまみとか塩分とか、いろんな味が入っていて
天ぷら屋さんでエビとかあげた後の天かすみたいな味になってるわけさ。
びっくりだわ~。
それで、うちで作る天かすも、もうちっとおいしくしてやろうと思ったんだけど
天かすを作るために、サクラエビとか買ってきて粉末にして加えるのも
なんか本末転倒な気がして
なんかいい方法はないかと頭をひねった結果
天ぷらの衣に、しょうゆ少々を加えることを思いついた。
衣がぼてっとついた感じの鶏のから揚げを作るときにね
衣にしょうゆ少々を混ぜると、
醤油がちょっと焦げる感じになって、衣がおいしくなるのを思い出したの。
さっそくやってみると
みるみるこんがりきつね色になって
ほんのり醤油味、そして醤油の焦げた芳ばしさがプラス。
おおーっ、今までの天かすより、グレードアップしたぞー!!
というわけで、年末の年越しそばの時に挙げたエビのてんぷらの後
醤油でグレードアップさせた我が家の天かすをしっかり作り
正月明け早々、うどんに入れて楽しんでいる次第であります。
ちなみに
私が京都で最もお気に入りのうどん屋さんの看板メニューが
かまぼこと天かすの入ったうどん。
名前は、ハイカラうどんっていうの。
家でも時々真似して作ってるんだけど
この組み合わせ、サイコーにおいしいので、かまぼこが余ってたらお試しあれ。
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今日の「日めくりレシピ」は「かまぼこサラダ」
お正月のかまぼこが残っていたら、サラダに入れるのもいいものです。
かまぼこのぷにぷにした食感と、生野菜のしゃきしゃき感が、意外によく合うのです。
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