家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
今日のお昼は、娘のリクエストでかた焼きそばのあんかけです。
3玉が1袋に入っている安い中華麺でもおいしくできるので、
うちでは定番中の定番です。
中華めんをカリッと香ばしく焼くのに、ちょっとしたコツがあります。
中華麺にあらかじめ、醤油をからめておくんです。
実は、これ10年以上前、テレビのロケの最中に思い付いたアイデア。
というのも、あるお宅に行って、あるもので何かを作るというような趣旨の番組で
ふつうは、こういう番組って
いきなり行っているように見えても
ある程度、冷蔵庫の中身を仕込んでおくとか
冷蔵庫にどんなものがあるか、事前に教えてもらうとか
事前に、何かしらの心積もりとか準備とか、試作とかして挑むんですね。
けれど、その時のロケは、本当に行き当たりばったりで
冷蔵庫にあるものをチェックして、本当にその場で考える。
かなり、ドキドキな番組だったんです。
で、現場に行って、そこにあるものを見たとき
すぐに、これで作れるものは、あんかけ焼きそばだなと思ったんです。
でも麺を油で揚げるところを、焼いてかりっとさせただけじゃ面白くないし
カリカリにするのに結構時間がかかってしまう。
時間短縮しつつ、香ばしさをアップさせるような
何かもうひとひねり、アイデアのようなものがあれば面白いなと思ったんです。
どうしたものか、う~ん。
でも人間、追いつめられると、普段考え付かないようなことを思いつくもんですねえ。
突然閃いて、麺にあらかじめ醤油をまぶしつけて焼いてみようと思ったんです。
そうするとしょうゆが焦げてかりっとなり香ばしさもアップするはず!!
とにかくリハーサルもなし、試作もなし
意気上がりばったりのぶっつけ本番でやったんですけど
頭で考えた通り
揚げるよりもさっぱりして、しかも醤油の香ばしさで複雑なおいしさになり
無事、大成功しちゃったんですねえ。
以来、かた焼きそばにするときは、この方法。
ところが数年前から、レシピを少し変えていまして
というのも、以前は中華めんにびやーっとしょうゆを絡めていたんですね。
そうすると、中華めんにも醤油の風味がプラスされておいしい。
けれど、中華めん1玉に
程度の塩分が含まれているので
それにたとえば二人分で大匙1のしょうゆをからめると
これだけで、2
さらに、これにたっぷりのあんをかけると、これはもう、どう見ても塩分オーバー。
ここ10年くらいで、塩分量に関する意識はずいぶん変わったし
おいしく減塩できるレシピへの需要が高まりました。
なので。家庭で作るのに、これじゃ塩分が高すぎて駄目だなと思い始め
でも、かといって、しょうゆの焦げた香ばしい香りとカリカリした焼き上がりのおいしさは捨てがたく
醤油の量をどこまで減らしても大丈夫か、いろいろ試してみて
最近の私は、2玉で小さじ1程度のしょうゆを絡めて焼くというので落ち着いています。
これだと、麺から摂る塩分量は1
カリカリ感と香ばしさを、ぎりぎりキープできるんです。
さらに、あんのほうにも一工夫。
なるべく野菜をたっぷりにして
(ちなみに今日の昼作ったもやしとにらのあんかけ焼きそばは
2人でもやし1袋、ニラ1束使いました)
水分はこの野菜がぎりぎりまとまるくらいまで少なくしています。
あんがお皿に足らりとたれるくらいたっぷりなのもおいしいのですが
そうなると、その分また塩分が多くなるし
かといって、調味料を減らすと味がぼけて美味しくないので
水分を減らすことで
味を薄くしなくても塩分量が少なくてもおいしく仕上げることができるのです。
あっ、それからもうひとつ大事なこと。
こういうとろみのついたあんって、ご飯にかける時と麺にかけるときとでは
味付けが違っていて
というのも、ご飯にかける場合は、ご飯自体に味がついていないので
そのまま食べたときに若干濃い目にしておかないと
ご飯と合わせたときに、なんか間が抜けたような味になるんですね。
けれど、麺にかけるときは、麺自体に味がついているので
あんのほうは、濃くする必要はなく
そのまま食べてちょうどいい濃さか、ちょっと薄めで充分
麺自体に含まれている塩分と合わさった時に
ちょうどよくなるんです。
もしも、味が薄くなと感じたら
こしょうや、ラー油などをかけてピリ辛にしてみたり
私は、酢と辛子を混ぜた辛子酢を回しかけたりするのがおすすめ。
酢をかけると、さっぱり食べられるだけでなく
うまみがぐっと引き立つので、薄味が気にならなくなるんです。
情報化の時代なので
おいしいかた焼きそばを食べさせてくれるお店もたくさんありますが
家で作れば、安上がりで、野菜もたっぷり食べられ、
カロリーや塩分を抑えられるのがいいところです。
せっかく家で作るのですから
そんなメリットも意識しながら作ってみるのもいいのではないでしょうか?
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