家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
昨日、せっかく奈良に来たので
今日は奈良の街を散策。
古代ロマンに浸りました。
大化の改新、虫5匹(645年)
なんときれいな平城京(710年)
鳴くよウグイス平安京(794年)
日本史の教科書では、三段跳びで
一気に奈良を通り過ぎて京都に行っちゃうんですよね。
でも、実は飛鳥から平城京までって
古代史好きにはたまらん、ものすごい物語がたくさんあるのです。
今回
「大和路の謎を解く:古代史巡礼の旅」(関裕二著 ポプラ新書)
というのを読み込んで、歩いてみたので
面白さが倍増、どっぷり大和に浸れました。
今回、一番のお目当ては大神神社(おおみわじんじゃ)
日本最古の神社で、
関裕二さんによれば、ここは日本を代表する聖地だそうです。
拝殿はあるけれど本殿はなく
ご神体は三輪山です。
本殿がないので、拝殿の奥にある「三つ鳥居」から、
ご神体である三輪山を拝むという原初の参拝スタイルで
お祓いを受けて、三つ鳥居を拝ませていただくと
何とも言えず、心洗われる感じがしました。
ちなみに、大神神社はお酒の神様でもあり
拝殿のところに、大きな杉玉がかかっています。
杉玉というと、
その年の新酒ができたというお知らせも兼ねて、
酒屋さんの入り口に飾られるものですが
あの杉玉は、ここ大神神社でいただくものなんだそうです。
大神神社(おおみわじんじゃ)→三輪山とくれば
三輪そうめん!!
あちこちで三輪そうめんを売っているお店、食べさせてくれるお店があります。
ちょうどお昼時になったので
三輪そうめん、いただきました。
冷たいものもあったんだけど
ここはやっぱり、にゅうめんで。
三輪そうめん、やっぱりおいしいですね。
細さといいのど越しといい、
いや、味だけの問題ではなくて、心の奥のほうにいきわたるような
しみじみした静かなおいしさで満たされますねえ。
やっぱり、悠久の歴史の中で、ながーい時間をかけて大切に受け継がれてきたものだけが持っている
なにか目に見えないオーラのようなものがあるんでしょうねえ。
そういえば
「麺の歴史」(石毛直道著 講談社学術文庫)
という本によれば
三輪のそうめんって
東大寺の大仏を作るための役所の記録の中に
麦縄(←そうめんのこと)を買ったという記録が残っていて
奈良時代には
麦縄は、奈良の都で市販品になるくらい生産されていたそう。
ということは、三輪そうめんって
1300~1400年くらいの歴史があるってことになるんですよね。
そりゃあ、ダダものじゃないわ。
ちなみに、そうめんが伝わるルートとしては
奈良時代といえば、朝鮮半島か中国か、どちらかしかないのだけれど
朝鮮半島の歴史記録の中にそうめんの製法を伝えるものは見当たらないそうで
そうなると、当時遣唐使のゆききで中国の唐から伝わった可能性が高いそう。
いずれにしても、油をつけながら小麦粉を伸ばしていくというのは
麺を伸ばして切って作るうどんやそばより、
はるか前から日本に伝わった麺つくりの製法であったことを思うと
奈良の都に、また悠久のロマンを感じてしまう、私でした。
さて、
そうめんの後はデザートに、丁稚ようかんも頼んでみました。
京都で丁稚ようかんというと
竹の皮に挟んでペッちゃんこの形をした蒸ようかんなのですが
こちらの丁稚ようかんは、水ようかんタイプ。
北陸のほうでは、こういう水ようかんタイプの丁稚ようかんがあると聞いたことがありましたが
大和の丁稚ようかんも、まさしく水ようかんタイプ。
ところ変われば、お菓子の形も違うのが、おもしろいですね。
帰りの参道に酒屋さんがあったので
甘酒をいただき
酒の神様のおひざ元の酒屋さんの酒かすも買いました。
これも料理するの、楽しみ楽しみ。
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