家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
子供の頃、冬になると
父とみかんの糖度当てゲームをしたものでした。
糖度当てゲームって何?
って思うでしょ?
実は、父が糖度計を持っていたので
それを使えば、簡単にみかんの糖度が測定できたんです。
糖度計というのは、筒状の形をしたもので
先端がワニの口みたいに開くようになっていて
筒の端から望遠鏡みたいに覗くと
中に温度計みたいなのが見えるんです。
そのワニの口の部分にみかん果汁を塗って
ぱたんと閉じて、端から覗くと
温度計の画面が青と白にわかれて
その境界線の所にある数字を見ると、糖度がわかるんです。
もちろん、みかん以外にも、測定できるんだけれど
私が子供の頃って
みかんは箱買いするものだったから
常に家にあって
最も身近な果物でした。
だから、みかんを食べるたびに
みかんの糖度を測定して当っこするのが
私と父の冬の間の遊びだったんです。
こういうのもね
やっていると、わかるようになるの。
一口みかんを食べれば
ああ、これ酸っぱいから7度かなとか
甘いから9度かなとか
昔のみかんは
今よりもすっぱかったから
7度とか8度とかが普通だった気がします。
(このへん記憶があいまい…)
今、スーパーに売られているのは大体10度前後かな
昔に比べたら、ずいぶん甘くなったように思いますねえ。
やっぱ品種改良が進んでいるんですね。
物によれば(ちょっとお高いやつね)12度くらいのものもあって
そういうのを食べると甘いわ~って思います。
なんでこんな話を書いているかというと
昨日食べた甘平が、あまりにも甘かったので
いったい、どれくらいの糖度なのか、調べてみたくなったのでした。
温州ミカンの、めちゃ甘いわ~ってやつで12度くらいなんだけれど
それよりも、確実に甘い気がして。
で、測定してみたら
なんとなんと14度!!!
やっぱりめちゃめちゃ甘いですね。
びっくりしました。
みかんって、
酸味と甘みのバランスで甘みを感じるので
酸味が強いと、甘みがあっても甘く感じない場合もあるんですよ。
でも、昔糖度のあてっこをして、鍛えた感覚は
何十年たっても、まだそれほど衰えてなかったみたい。
久しぶりに、父との懐かしい遊びを思い出し
なんだか、幸せな気分です。
この古い糖度計は、父の形見です
コメント
先生の子供の頃、お父様とのお話、ほのぼのしてほっこりあったかい気持ちになりました。
そして糖度計のお話も面白かったです。
そしてそして!甘平がますます食べたくなっちゃいました♡♡
うれしいコメントありがとうございます。
甘平、是非探してみて下さい。
先生のお父様って、とても個性的でユニークな方だったのではないでしょうか? 先生が以前ご紹介されていた お母さまに替わっておせち料理を作るお話はとても興味深かったです。まだ子供だった先生に 自分なりに工夫すれば今まで知らなかった世界や、思わぬ楽しみを発見できることを よくある親の説教ではなくて面白可笑しく提案されて、子供なりにやる気を起こさせるような・・。 思えば、そのような事柄の積み重ねが 今の先生の型にはまらない家庭料理のご提案にも繋がっているのかなと改めて思った次第です。
父は学者なので、世の中の一般常識みたいなものとは違う世界に生きている人でした。
自分が大人になって、
他の家とはずいぶん違う暮らしをしていたなあって思うことがあります。
なので、今でも自分の中で何か大きく欠落しているものがあるような気がしています。
まあ、その分、違う何かが私の中にあるのかもしれませんが。