家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
5年ごとに改定されている「日本人の食事摂取基準」
今年は、高血圧予防の観点から塩分の摂取基準値が低めに変更されましたね。
18歳以上の男性 9
18歳以上の女性
あくまで摂取基準です。
これくらいを目標にして塩分を減らして、高血圧予防しましょうという基準です。
けど、この数値、結構厳しいです。
毎日の食事で、かなり意識して減塩しないと、なかなかこの範囲には収まらない数値だと思います。
人は、健康のためだけに食べているわけではなく
毎日楽しく、充実した人生を送るために食べているわけだから
毎日毎日、減塩減塩では、なんだか楽しくない気がしますね。
でも、何にも考えないで、食べたいものを、おいしいものを無制限に食べたのでは
どうしても、塩分は取りすぎる傾向にある。
だから、家庭で作る料理は、あまり減塩減塩と声高に言わないで
普通に作って、普通においしくて、
結果的に塩分控えめになっている、というのがいいと常々思っています。
外食したり、出来合いのものを食べたりする時の塩分量って
正直あまりわからないから
せめて、家で料理をする時に、上手にバランスをとれればいいかなと
さらに言えば、上手にバランスをとる役割が、家庭料理にはあるかなと。
なので、ここ数年来の私のレシピは
なるべく、一人分
麺類や丼物のように、どうしても塩分高めになるものでも
3gを超えないように、知恵を絞っています。
(ずーっと以前のレシピは、そういう意味では、自分が若かったこともあって、そこまで塩分を気にせずに書いたものもたくさんあります)
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一日の摂取目標の
家庭料理のレシピというのは、いろんな人を想定しなければならず
必ずしも、減塩が必要な人だけを対象にしているわけでもなく
運動している人や、大量に汗をかくお仕事の方など
必ずしも、この塩分摂取基準が当てはまらない人もいらっしゃるし
あまり、ストイックにしすぎると、料理の楽しさもなくなります。
そういう意味で、
たくさんの人に喜んでもらえるのかなと思っているのです。
なかなかこの塩分では収まらないことも多々あります。
ただ単に、計算上の塩分量を減らすだけだと
(つまり、調味料を減らすだけだと)
ただ味が薄くなるだけで、おいしさもなくなってしまうから
調味料を減らしても、物足りなくないような工夫をしなければならないのです。
単に塩分控えめのレシピを完成させればいいと、いう風には思っていないから
どうやったら塩分を減らしてもおいしくできるのかという方法も、
あわせて伝えていきたいなと思っています。
それは、例えば、砂漠で水を欲している人がいて
そこに水を運んであげるのも一つの仕事ですが
井戸を掘ってあげるという手もあります。
さらに、井戸の掘方を教えてあげることもできます。
家庭料理研究家の役割というのは
井戸の掘り方を教えてあげることも含まれていると思うのです。
井戸の掘り方を知っていれば、
さらにそこに自分たちの工夫を加えて
自分たちに合ったやり方を見つけることができます。
単に出来上がった減塩レシピを作るより、
自分なりに工夫する方が毎日の生活は豊かになると思うし、
作る方も、食べる方も窮屈でないと思うんです。
いずれにしても、減塩減塩とストイックにしないこと
これが一番大事ですね。
あくまで楽しく作って、楽しく食べなくっちゃ。
減塩が目的ではなく
元気に楽しく生きるための手段として減塩ですから。
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今日の「日めくりレシピ」は「人参とひじきのマリネサラダ」
ビタミン&ミネラルが手軽にたっぷり食べられる作り置きサラダです。
マリネとか、鍋物、麺類の汁の塩分は、実は計算が難しく
例えばマリネ液の塩分がどれくらい口に入るかは、マリネされている状態にもよりますね。
少ない調味液で和えたものだと、調味液の大部分が口にはいりますが
南蛮漬けのようにたっぷりのつけ汁がある場合は、半分以上が口に入らずに残ります。
当然、塩分量はその割合を、どうとらえるかによって変わってきます。
日めくりレシピは、レシピを考える時点で、私も自分でだいたいの塩分量は計算していますが
最終的には、計算をお願いしています。
計算してくださっている栄養士さんは、撮影の現場には来られていないので、
この辺の塩分量の判断がとても難しく
計算していただいた塩分量を見て
レシピ上の塩分がすべて口に入るのか、あるいは調味液は残るのかの最終判断は私がしています。
もしも間違いがあった場合は、すべて私の責任です。
気持ちを引き締めて、責任をもってチェックしておりますが
もし、これちょっと違うんじゃない?とか
これはどういうことなのかな?と思われることがあったら
些細なことでもかまいません。
お手数をおかけしますが、ご連絡いただければうれしいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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