家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
先日、
「レシピ通り作ったんだけど、塩分も味も決まらなかった」
と言われ、ああ、やっぱり勘違いされてしまうなあ、と改めて思った私。
ちりめんじゃこorシラス干し問題
私はは関西の人間なので
ちりめんじゃこと書けば、あの乾燥したじゃこを思い浮かべるんですけど
食品分類上はどちらもしらす干しとなるようで
しらす干しの中に、微乾燥品と半乾燥品があるんです。
でも、やっぱりしらす干しっていうと、なんかからりと乾いていない感じがしてしまうのは私だけですかね?
だから、乾いているのは、ちりめんじゃこと私は書いています。
たいていは、それで通じていると思うんだけど
時々、通じてないことが起こったりするから、どうしたものかと悩みます。
特にこれから釜揚げシラスの旬になると
じゃことシラスを勘違いされるリスクは高いなあと思っています。
どう書いたら、間違わずに認識してもらえるのかなあ。
この2つ、そのまま食べる分には、どちらを選ぼうと好みの問題だと思うんだけど
食材として考えるときは、別物なんですね。
じゃこにはじゃこに向いた料理法があって
シラスにはシラスに向いた料理法があって
代用できないわけではないけど、出来上がりはちょっと違うものになります。
じゃあ、何が違うかというと
決定的に違うのは、うまみと塩分。
食品成分表を調べてみると、それぞれの塩分は
しらす干し(微乾燥)100
ちりめんじゃこ(しらす干しの半乾燥)100
つまり、ちりめんじゃこの方が1.5倍塩分が多いんです。
ですから、私はレシピを書くときには、
その分の塩分も考慮して、他の調味料を加減しています。
加えて、ちりめんじゃこの方が、乾燥している分うまみが強い。
ちりめんじゃこを入れて煮ると
煮干しに近いうまみがプラスされるんですね。
シラスそのものにはうまみがありますが、煮物のだし代わりにはなりません。
なのでちりめんじゃこをシラスに変えると
塩分もうまみも足りなくなってしまうんです。
更に、最近うちの近所のスーパーでは
ソフトちりめんというのが売られていて
これは、ちりめんじゃこなのかシラスなのか、正直悩む。
一応、ちりめんじゃことして使ってみて、問題はなかったけど
こういうの、ちょっと紛らわしいですね。
多分、メーカーによって塩分も、うまみも違うんじゃないかと思うから
レシピを書くとき、塩分の調整が難しくて
最後に、味を見て調整する、というような書き方をせざるを得ないんです。
まあ、料理っていうのは、
最後に味を見て調整するものなので、それ自体は別に悪くないんだけど
レシピとして、きちんと書いてないみたいに見えるのが、ちょっと歯がゆいというか。
もう一度整理すると
シラス、というのは水分が多い柔らかいので、日持ちがしないタイプ。
ちりめんじゃこ、というのは乾燥が進んでいるタイプで、カリカリに炒めたり、煮物のだし代わりに使えるのはこちら。
という風に私は使い分けています。
特にシラスの場合は、乾燥していない感を出すために釜揚げシラスと書くようにしています。
シラスやちりめんじゃこは、カルシウムとビタミン
(ビタミン
効率よくカルシウムを取ることができる、優れた食品。
魚料理はちょっとという人も食べやすいので
気軽にいろんなものにプラスして食べたい食品の一つです。
*************************
今日の「日めくりレシピ」は
「大根とじゃこの梅煮」
大根を細きりにしてじゃこのうまみで煮ました。
ここで使ったのは、乾燥している方のちりめんじゃこです。
細きりにした大根のやさしい食感がクセになり、
箸休めのつもりがモリモリ食べられちゃう一品です。
日めくりレシピは、ツイッターでもお知らせしていますので
奥薗壽子で検索してみてください。
コメント