家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
20年ほど前、小倉(北九州市)に住んでいた時
近所の公園のフェンスに、たわわにキュウリがなっていて
そのころまだグリーンカーテンなどというしゃれた呼び名もなかったから
九州ではキュウリをすだれ代わりにするのか~と思っていたら
実はそれがゴーヤだったのでした。
その当時、私はゴーヤなどというものを食べたことがなかったし
全国的に見ても、それほど知られていなかったゴーヤ。
けれど、公園でゴーヤが自生しているくらいなので
その当時でも、地元の人は普通にゴーヤを食べていて
ああすればおいしいとか、こうして食べるといいよとか
いろいろ、調理法を教わったり、食べさせてもらったりしました。
けれど、まあ、こんな苦い野菜、自分の口にはあわへんわ、というのが正直な感想。
ところが、その後沖縄に行く機会があって
沖縄でゴーヤ料理を食べてびっくり。
苦くない!!
何でも、ゴーヤって、ものすごくたくさん品種があって
苦さのレベルって、その品種ごとに違うらしいのです。
そう思って、食べ比べてみると
小倉で食べていたきゅうりみたいな細い形のゴーヤに比べ
沖縄で食べたぷっくりした形のゴーヤは、苦みが少ない気が・・。
そんなところから、ゴーヤに興味を持ち始め
買うときに、これ苦そうやわ、とか、これいい形してるわ、とかこだわってみたり
自分なりに、おいしく食べられる方法を研究しているうちに
こんな苦いもの、よう食べへんわ、と思っていたはずのものが
いつの間にか大好物になっていました。
いや~、何がどうなるかわからないものですね。
さてさて、そんなゴーヤー。
苦みを完全にとるのは、難しいので
やっぱり、多少箱の苦味を好きにならないと食べられないかもしれませんが
苦みを和らげる調理法はあると思うんですね。
例えば、加熱時間。
この前、買ってきたゴーヤーで
豚肉とゴーヤーと豆腐のオイスターソース煮を作ったんです。
ゴーヤーってウリ科の野菜なので、煮るととろりと柔らかくなって
その食感がおいしかったりするんです。
この場合、コトコト煮るというよりは、蒸し煮にして火を通したのですが
炒めるよりも苦味が増し
周りの豆腐や肉にも苦味がまんべんなくいきわたります。
ゴーヤーの苦味が苦手な人には、かなり厳しい一品。
あっ、一応、ここでこの料理をフォローしておくと
苦い=まずいということではなくて
ゴーヤー好きは、この苦味も決して嫌いじゃなくて
特に、娘なんかは
苦いほうがビールにはよく合う!!と言っていたので
(残念ながら、私はビールが飲めない)
一言で苦いっといっても、ご飯で食べるか、ビールと合わせるかで
おいしいと感じるか、苦くてまずいと感じるか、差が出るかもねと思いました。
で、話をゴーヤの苦味に戻すと
つまり、ゴーヤは、あまり加熱しないほうが
苦味が強ならないのではないかというのが私の結論です。
なので、じっくり蒸し煮にしたり、コトコト煮るよりは
塩もみしたり、さっとゆでたり、さっと炒めたりというのが
苦みを最小限に押させる調理法なのではと思います。
更に味付けでいうと、
鰹節のようなうまみを合わせること
ちょっと甘めの味付けにすること
で、ずいぶん苦味がまろやかになります。
で、おすすめなのが、ゴーヤーと豚肉のみそ炒め。
ゴーヤーを先に炒めて取り出して鰹節をまぶしておき
(このひと手間でゴーヤーを炒めすぎず、ベストの炒め具合に仕上げられます)
あいたフライパンで、下味をつけた豚肉を炒め
色が変わったところで、ゴーヤーを戻しいれ
みそ、はちみつ、酒を各同量(大匙1くらい)混ぜたものを全体にからめて出来上がり。
みそ炒めは、みそとはちみつが同量の甘い味付けが
ゴーヤーには合う気がします。
アレンジとしては、
ニンニクやショウガをプラスしたり
豆板醤や、赤尖らしを入れてピリ辛にしたりも、よく合います。
ゴーヤーが食べられなくても
別に、生活に困ることはないですが
よかったら、この甘みそ炒め、試してみてください。
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