家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
「蜷川幸雄一周忌追悼公演 マクベス」を見に行ってきました。
マクベスというと、シェークスピアの4大悲劇の一つ
魔女の予言で国王になれると告げられたマクベスが
国王を殺して王位についたものの
友人への疑心案着、不安、執着、猜疑などにより身を亡ぼしていく話です。
シェークスピア作品ですが
設定はそのままで、日本を舞台に繰り広げられます。
もともとは、小心で、忠誠心の強いマクベスの心の中に沸き起こった
もっともっととむさぼる心が災いの種
ゴーダの領主になれたことで満足できたはずが
国王になることを望み、国王を殺してしまう。
けれど、それが愚かさと不幸の始まりで
国王になれたら、今度は、それを奪われないように執着する。
奪われたくないという執着心により、大切な友人を殺す。
決して、満足し、幸せになることはありません。
一方、どんな手段を使っても己の欲望を見たいすことをいとわない夫人の方は
一見、マクベスよりも邪悪なように見えるけれど
国王を殺して国王の座を手に入れるようにマクベスをそそのかしておきながら
次第に精神に異常をきたしていく。
悪にもなり切れない人間の弱さ、
邪悪に見える人の心の中にも、弱さともろさ
その先には、やはり幸せや心の平穏はありません。
仏教の教えの中に
人間の三毒というのがあります。
すなわち、貪瞋痴
もっともっととむさぼる心、
自分勝手な好き嫌いで忌み嫌い、怒り、攻撃する心
無知による判断のあやまり、迷い
舞台が日本になっていることで
私は、今回のマクベスの中に、この仏教的な思想を強く感じました
心惑わす魔女は、まさに心の中にある三毒かと
三人の魔女、すなわち三毒によって
人は自分で自分を苦しめ、不幸にしていくのですね。
そして、そのさんにのも魔女は、ほかでもなく自分の心の中にいる・・。
善良な人間だと思っている私自身も
国王とか、そういう大きな話でなく
もっとちいさなことで、惑わされる可能性がある気がして、
心がざわざわします。
3人の魔女たちに、心惑わされないように気をつけねば。
シェークスピアも、蜷川幸雄演出も
出演者の皆さんも、それぞれに素晴らしかったです。
思うことはたくさんあるのに
言葉でうまく表現できないのがもどかしい。
でも、見れてよかったと思える作品でした。
コメント
先生、おはようございます。
蜷川幸雄さんが亡くなられて、もう1年になるのですね。
マクベス、沢山の人の想いが詰まった作品なのでしょうね。
ドコデモドアーがあったらなぁ……。
先生、今日も1日健やかにq(^-^q)。