家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
目先の評価や小手先の笑いのために
流儀を変えたらあきません。
これは、落語家の桂米朝さんの言葉です。
この言葉は、私にとって座右の銘ともいえるもので
何か、ことある度に自分に言いきかせています。
でもね、難しいのですよ。
ついつい目先の評価や、小手先のウケを狙ってしまいたくなる。
たとえば、今日のdグルメの撮影。
レシピを書いている段階では
自分の目指す料理の方向を見失わないよう
慎重にレシピや作り方を、考えているはずなのに
いざ撮影の段になると
心に迷いが生じる。
ここで、やっぱり、こうした方がウケるんじゃないか、とか
このプロセスを省略したほうが、簡単に見えるんじゃないか、とか
あんなに考えたレシピなのに
なんで、ここで心が迷うのか
自分でもわからないのですが
心が弱いんです。
でも、ちょっとだけ言い訳させてもらうと
例えば本に書くレシピなら
迷わないことでも
ネットで発表するレシピだと、迷ってしまったりするんですよ。
というのも、料理本を見てくださる人は
ある程度料理が好きで、実際に作ろうと思ってみてくださっている場合が多いと思うのだけれど
ネットでレシピを見てくださっている層というのが
正直、私にはまだ読み切れていないところがあって
料理を作ろうと思ってみてくださっているのか
ただ単なる情報の一つとして見てくださっているのかが読めなくて
きちんと説明したほうがいいのか
文字数を減らして、極力簡単そうに見せた方がいいのか
今日も、撮影しながら
こんなプロセスを入れたら、難しそうに見えるから
そこのプロセスを全部取っちゃえ!!と思って、
今まで、何度も試作してきたことと違うことを、いきなりやってしまったりして
でも、やり方を変えたら納得いくものができなくてダメで、
もう一度撮り直したりしました。
評価にとらわれて
自分を見失ってはいけません。
自分の流儀を変えたらあきません。
これって、口で言うほど簡単ではなく
毎回、毎回
何度も、何度も
自分で自分に言い聞かせている私です。
コメント
先生、おはようございます。
そうですねぇ(>_<)。
全てのニーズにあったものを発信しようとするのは、並み大抵のことではなさそうですね。
今は、受けとる側も多様ですし、受け取り方も多種多様ですから。
それぞれに対応していたら、先生がパンクしちゃいそうですね。
頭を悩ます絵が伝えてくれます。
流儀を変えない、難しいですが、先生ご自身が、楽しんで料理を発信してくださることを願います。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。
流儀を変えない。でも、かたくなになってはいけない。
柔軟に変化しつつ、でも、本当の核のところの信念というか、想いは変えない
う~ん、書いているだけでも難しいですが、実際はもっと難しく
まだまだ、人生修行が足りません