家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
今日の天声人語に
「人は自信と共に若く、恐怖とともに老ゆる」という言葉が書いてありました。
なるほどね、わかる、これ。
若い時は、もう体全体がスポンジみたいに何でもかんでも吸収して
その入っているものの力によって、成長していけるんです。
それがたとえ、根拠のない自信であっても
根拠がないってことが、決して怖さでない。
それは例えば夏場のつる植物みたい
それ以上伸びても、その先フェンスも巻き付くものは何もないとわかっていても
どんどんつるを伸ばしていく感じ。
ところが、ある年齢を境に
自信に根拠がほしくなり始め、根拠なしでは前に進めない気がしてくる。
フェンスも巻き付くものもないことがわかっていながら、もうつるは伸ばせなくなってくるのです。
加えて、容姿も、いろいろな身体能力も、いろいろ衰え始める。
この先、どうなっていくんだろう、不安、恐怖。
今50代ですが、これが60代、70台になったら、失うものも増え
それが恐怖に変わっていくのかなあ、なんて漠然と思っていたら
今日はステキな本に出合いました。
「自分をいたわる暮らしごと」(結城アンナ著 主婦と生活社)
著者の結城アンナさんはモデルで、岩城滉一さんの奥様
ジャワカレーのCMでおなじみの方です。
その結城アンナさんが暮らしの中の様々なことを書かれたエッセイです。
現在62歳。お嬢様が独立されてご主人と二人暮らし。
素敵な方なので、暮らしぶりも素敵なんだけれど
それがものすごく自然体で、嫌みがなく、素晴らしいのです。
お料理も庭仕事も、運動もおしゃれも
肩の力を抜いて、自分が楽な暮らしをされている感じがすごくいい。
若く見えると言われるよりも、素敵な60歳といわれたい
落ち込むことがあったら、感謝すべきことを10個考える
中でも、この2つが特にいいなと思いました。
実際の年齢よりも若く見せようとするのではなく
年相応にステキでいること、
若く見せようとすればするほど、自分の失ったものを何かでカバーしなければならず
更には、若さを失っていくことに不安や恐怖を感じるもの。
年相応にステキでいるということは、そういう執着から自由になるってことですよね。
そういう風に頭を切り替えたら、ずいぶん気持ちが楽になる気がするなあ。
更に、落ち込んだ時は感謝する。
自分や、自分のまわりの誰かを責めるのではなく、
感謝することで、自分が恵まれていることや幸せであることを再確認できる。
そういえば、将棋の羽生善治さんも国民栄誉賞が決定したときのインタビューで
若い時よりも、記憶力や瞬発力はずいぶん落ちて
若い時は、ずいぶん先の手まで読めたけれど、今はそんな読めなくなりました。
みたいなことをおっしゃっていて
けれど、その分大局観という、全体を見る力が増したので
それを使って、これから先どういう勝負ができるのか、楽しみだというようなことをおっしゃっていました。
やっぱり、失うことを恐れるのではなく、逆に増えていることに目を向け、それを楽しんでおられる。
見習うこと、多いです。
なので、私も年相応に、いろんなことを楽しみながら、自然に自然に。
失うことを恐れるのではなく、失っていく自分を楽しむ。
逆に小さなことでも、増えていくことに日々喜び、楽しみ、感謝する。
好奇心、大切ですね。
そう、恐れることがなければ、老いることもないのだー!!
コメント
先生、おはようございます。
先生は以前、スマホで昔の仲間と繋がれるようになったことや、こんな時代だからこそ繋がれるようになった人間関係などを喜んでいましたね。
それだけに関わらず、やっぱり増えているんですよね‼️。
先生は、好奇心旺盛だし、色んな所へ足を伸ばしたり観に行ったり、素敵だなぁと思うし、見習いたいとも思います。
今日のイラストも、沢山の“喜び”に囲まれていますね。
マイナスも、見方を変えればプラスにできるんだな、と、何だか私も元気になりました。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。
失っていく方を見るか、得ている方を見るか、それはすべて自分次第。ものの見方次第で、毎日が楽しくなる気がします。