家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
何かの本で、小川洋子さんが
「人は物語を必要としている」と書いておられたのを
折に触れて思い出します。
うん、確かに物語を欲するときがあります。
例えば、時間に追われて、あれもしなきゃこれもしなきゃということが続いた時。
何か現実とは違う物語の世界に逃げたくなったりするのです。
私の場合、大抵は小説なのですが
体力的に疲れがたまっている時は、映画だったりします。
活字を読むよりも、すっと簡単に世界観に入り込めるし
時間的にも2時間程度で完結できるので。
そんなわけで、昨日映画を見たのですが
なんとなく、もう少し心温まるようなストーリーを欲しておりまして
何かないかと、無料で見れるのを探していたところ
良さげなのを見つけました。
「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」
結婚40年目の老夫婦が主人公。
広くて居心地がよさそうで眺めの良いマンションに住んでいるのですが
唯一の欠点が5階なのにエレベーターがないこと。
結婚当初は若かったのでそれでもよかったのですが
今は、すっかり年を取り、5階まで階段を上るのがだんだんしんどくなってきているんです。
おりしも、飼い犬も椎間板ヘルニアになって、階段を登れなくなってしまう。
そこで、とうとうここを売ろうと決め
内覧会を開いて、競売にかけるんです。
でも、思っている金額よりも安くでしか売れそうにない。
けれど、買いたいといっている人がいる、このチャンスに売らないともう売れないかもしれない。
その一方で、自分たちが引っ越すところを探し始める二人。
。
いざ売るとなると、40年も済んだところですから
いろんなことを思い出すし
競売ですから、買い手が言ってきた値段で売るとか売らないとか
買い手が何人かいれば、そこでも値段のつり上げがあったりとか
売る時は、少しでも高く売りたいし
買う時は少しでも安く買いたいし
けれど、自分たちがそこで暮らした時間や、想いでとか、そこで気づいた人間関係とか
暮らしのルーテインとか
そういうものを値段に置き換えられるのか
慣れ親しんだ生活を手放してまで
エレベーターのあるマンションは必要だろうか
そういうことに、気づいていくんですね。
私自身、これから年齢を重ねていくと
新しい環境で、一から生活を作るというのは確かに大変だし
これまで慣れ親しんできたものを手放してしまったら、もう二度と元には戻せない。
引っ越すことで、暮らしやすくなることもある
けれど、今のこの暮らしを良くする努力もまた、必要なのかな。
暮らしは、ずーっと続いていくし、その延長線上に暮らしがある。
それにしても、主演のモーガン・フリーマンがすごーくよかったです。
こういう人と暮らせたら楽しいだろうなあ。
コメント
先生、おはようございます。
体は休まりましたか?。
今日の虎之助くんの写真は大きく貼り付けられていますね。
とても印象的です。
僕にも何か手伝わさせてください、って言っている、そんな表情に私は見えました。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。