家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
人間の五感の中で、最も記憶に直結しているのは嗅覚だと
何かで読んだことがあります。
確かに、匂いとか、香りとかって
バーッと記憶がよみがえることがありますよね。
例えば、変な話ですが
街を歩いていると、父親のつけていた整髪料と同じものをつけている人とすれ違うことがあって
一瞬その香りをかいだだけなのに
子供の頃過ごした家の洗面所の情景を思い出したり
雨上がりのちょっとむっとした地面から上がってくる匂いを嗅ぐと
祖母の家の縁側から見ていた庭先の風景を思い出したり
香りの記憶ってすごいなあと、つねづね思っていたのですが
意外に、音楽の記憶というのも侮れません。
というのも、昨日から撮影をしているのですが
撮影中、娘がBGM代わりにかけてくれる、いろんな音楽に
(それでテンションを上げたりしているんです)
時々、わけもなく、懐かしさがじわじわ蘇ってくるんです。
好きでよく聞いていた曲はもちろんなんですが
その当時、流行っていた曲とか、コマーシャルに使われていた曲とか
一気に、あの当時に戻れますねえ。
普段は、その時代のことなんかまったく思い出すことがないのに
不思議‥。
聴覚、嗅覚ときたら、やっぱり視覚とか味覚ですが
そういう風に考えるとこの2つは全くあてになりません。
ものすごーく美味しかったっていう記憶は残っていても
それが、どんな風においしかったのか、どんな味だったのか
味の記憶って、本当に曖昧で儚いですね。
しかも、昔大好きで、あきれるくらい繰り返し食べていたものでも
久しぶりに食べてみると、あれ?こんな味だったけ?なんて思うこともあるし。
でもまあ、だからこそ料理は面白く、深いのかもしれません。
記憶にも形も残せないからこそ
ずーっとずーっと、どこまでも興味が尽きないのかもしれません。
コメント
先生、おはようございます。
なるほど。
答えがないのも時にはいいものですね。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。
思い出の味は、どんどん美化され、どんどん美味しくなっていく気がします。