家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
先日、京都の大原買ってきたしば漬け美味しくて美味しくて
毎日のご飯が、楽しい時間になっています。
そもそもしば漬けは、京都の大原が発祥です。
平安時代末期、源平の合戦に敗れた平家一族が、壇ノ浦で入水自殺したとき
ただ一人生き残った建礼門院が、長安寺で髪を落とし
最終的には大原の寂光院で隠棲するんですけれど
その建礼門院を慰めるために、大原の野菜と大原の赤しそで作った漬物が
大原のしば漬けなんです。
実は、先日大原に行ったとき、大原三千院から寂光院(建礼門院が隠棲したところ)に行こうとしていて
素直に行けば、迷う道ではないのですが
途中、出世稲荷神社に立ち寄ってから寂光院に行くという遠回りのルートを選び
道に迷ったんです。
実は私、グーグルマップを使っても迷子になるという、致命的な方向音痴なんです。
行けども行けども、それらしいところがなくて、
そのうち、寂光院がどこにあるのかもわからなければ、今自分がいる場所もわからなくなって
どうしたものかと思っていた時に、一見のお漬物屋さんを発見したんです。
見るからに昔ながらのやり方で、まじめにお漬物を作っておられるような店構え。
で、道を尋ねるために、そこのお店に入ったんです。
そうしたら、寂光院とは違う方向にどんどん歩いていたみたい。
ここから寂光院まで歩くとなると30分以上はかかりますよと言われ、バスで行くルートを教えていただきました。
(大原は、すごい山奥なので、タクシーを呼ぶだけでも、すごーく時間がかかるので、やめておいた方がいいといわれたんです。そんな場所で迷子になった私。このお漬物屋さんに出会わなかったら、どうなってたんだろう…。)
で、その時、お店のしば漬けがあまりにもおいしそうだったので買って帰ったんです。
(こんな非常事態なのに、まだ食い気は捨てていない)
最近、毎日おいしく頂いているのは、そのしば漬け
本当においしいの。
何がおいしいかというと
とにかく、昔ながらの方法で作ってあるので
何にも添加物が入っておらず
自然発酵で酸味を出してあって、ものすごくすっぱいのですが
その酸味が、すごーくおいしい。
野菜の持っているパワーを感じるんです。
娘は、酸っぱーいといって、顔をしかめたけれど
しば漬けというのは、そもそもこういうすっぱいもので
すっぱくないとおいしくないんですよ。
最近のは、いろいろ調味液を入れて、酸味をまろやかにしてありますが
(それが最近のスタンダードになっているので、それはそれで美味しいのですが)
しば漬けとか、すぐき漬けという京都の漬物は、酸っぱいもので
古来、日本人はこういうもので乳酸菌を取って、健康を保ってきたんだと思うんですよね。
道に迷ったおかげで、
こんな昔ながらの、酸っぱいしば漬けに出会えたことが、
何とも幸せでした。
今日も酸っぱいしば漬けで、ご飯をたくさん食べて
体の中から、元気を頂いています。
ちなみに、しば漬けは細かく刻んであるタイプもありますが
なすが大きいまま使ているタイプの方が、私は好きです。
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