でいりいおくじょのBLOG

2018.08.13

映画日記「花戦さ」

「花戦さ」というDVDを見ました。

これは、池坊専好が花をもって、豊臣秀吉に物申す物語です。

 

生け花というのは、仏前に花をお供えしたことが始まりで

華道の池坊も、そもそもは、京都の六角堂の頂法寺というお寺のお坊さんが

法会などの催しにお花を生けたところから始まっているそう。

 

千利休が、待庵という狭い茶室を作った時

身分の高い低いに関係なく

みんな腰をかがめて茶室に入り

狭い茶室で、同じ立場でお茶を飲む

そういう、平和な世界を作ったんだと思うんです。

 

戦国の世だったからこそ、なおさら、それを望んでおられたと思うんです。

 

それが、豊臣秀吉には通じず

お茶は権力の道具として、使われました。

秀吉は、利休のわびさびの世界ではなく、金の茶室の世界を選んだ

 

生け花も茶道と同じように、秀吉にとっては権力を誇示する道具でしかなかったのかもしれません。

 

専好さんは、権力に対して抗うこともはしないけれど

花は平和のためのものであるという信念は曲げることはできず

権力の道具にされることには、我慢できなかったんだと思います。

 

だからこそ、花の力で、権力に立ち向かっていった

そのシーンは圧巻でした。

 

私は、そこの部分で、どうしても料理のことを考えてしまう。

 

料理もまた、花と同じように平和の象徴です。

平和でなければ料理というものは、そもそも存在しません。

 

平和な時代でなければ、ただ生きるために食べるだけであって

料理という豊かさな世界へと広がっていきません。

平和だからこそ、どう食べる、どうやれば美味しくなる、楽しく食べる

ということを考えられるのだと思います。

 

自分は料理を通して、何を伝えたいのか

料理を通して、自分を表現するということと

料理を利用して、自分を誇示することとの違いはどこにあるのか

 

この映画は、そういう意味で、多くの刺激を頂きました

 

金の茶室ではなく、野に咲く花を河原にそっと生けるように

謙虚でありながら、ぶれない価値観をしっかり持って

料理というものを見ていけたらと思いました。

 

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