でいりいおくじょのBLOG

2019.02.16

読書日記「異邦人」「楽園のカンヴァス」

最近知ったのですが

京都本大賞というのが5年くらい前からできたそうで

去年の受賞作が「異邦人」(原田マハ著)

 

さっそく読んでみました。

 

原田マハさんは、キュレーターでもあり

以前“日曜美術館”に出演されていたのを見たことがあって

一度読んでみたいなあとは思っていた作家さんでした。

(今まで一度も読んたことがなかったんです)

 

大学で美術史を勉強されたキュレーターでもあるので

書かれる小説は、絵画をテーマにしたものが多く

そこも魅力の一つです。

 

なかなか手に取る機会がなかったのですが

ようやく手に取ることができました。

 

「異邦人」は、京都が舞台で、

美術館の副館長を務める女性が主人公。

東京の震災で、放射能を避けるために(妊娠している)京都に避難してきたところから小説が始まり、

そこで、心に響く絵を描く作家さんに出会う・・・

というようなストーリー。

 

京都が舞台だったので、かなり期待して読んだのですが

正直、世界観が好みではなく、

私にはあいませんでした、残念・・・。

 

それで、もう一冊

マハさんの代表作でもある「楽園のカンヴァス」も読んでみることにしました。

 

これは、アンリ・ルソーという画家の書いた「夢」という作品と

それにそっくりの「夢を見た」という作品をめぐり

二人のルソー研究者が、その真贋と、その絵の下に隠された秘密に巻き込まれていく

という話。

 

たぶん、映画なんかになったら、面白いのかもなあと思ったけれど

小説としては、こちらもやっぱり私はあまり好きじゃないかなあって感じでした。

 

残念ながら、私にはあわなかったみたい‥。

 

ただ、この小説の中で

新進気鋭のルソー研究者の織絵という女性が出てくるのだけれど

彼女は子供の頃から絵を見るのが大好きで

学校から帰ったら、一人で美術館に絵を見に行くんです。

そのことを、友人の家で友人に会ってくるっていう風に言うんです

 

そのニュアンスは、すごーくよくわかるなあって思いました。

 

ここの所、しばしば京都に行っていますが

京都で、庭や、古い建物や、仏像や、絵を見るのが目的なんです、

それらを見に行くときの気持ちは

この本に出てくる織絵さんと一緒で、古い友人や知り合いや、長年会いたかった憧れの人に会いに行く感じなんです。

 

ああ、また会えましたね。

お会い出来てうれしいです。

 

って感じ。

 

そうして、実際に対面すると

心の中で、とめどもなく会話をしてしまう。

言葉にならない会話。

 

本当にこの本に書かれているように、

心の中では、とても饒舌。

 

一人で、長いこと庭とか仏像とか絵をじーっと見て

何が面白いのかと思われそうなんですが

一人で向き合うことが、楽しく

また、一人でないと、向き合えないんです。

 

その感じが、この本の中の織絵が絵を見るシーンと似ていて

そうそう・・・そうなんです、そんな感じって思いました。

 

また京都で、絵や仏像に会いに行きたくなってきました

 

IMG_0309

見つめあーうと素直におしゃーべりでき―ない♪

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