家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
小泉堯史監督作品を調べていたら
「阿弥陀堂だより」が出てきました。
おおーっ、この映画
ずっと前に見たことがあって
あまりにも感動して、すぐに原作も読んで
本当に、いいものを見せてもらったなあ~って
そのあともずーっと心の中がホカホカしていた映画でした。
本を読むときは
作者の名前を意識するのに
これまで映画を見るときに、監督を意識したことがなかったんです。
(ああ~‥‥失礼な話です‥‥、ごめんなさい)
でも、自分の好きな作家さんの小説は
どれを読んでもやっぱり好きなように
無意識で見ていても、
ああいいなあ~って思う映画は、同じ監督さんだったりするものですね。
そんなわけで「阿弥陀堂だより」を
もう一度見てみたくなり、見ました。
物語は、ある一組の夫婦が
夫の故郷である信州の田舎に引っ越してくるところから始まります。
夫の孝夫の職業は小説家。
若いときに新人賞を取ったんだけれど、その後は鳴かず飛ばずの売れない小説家。
妻の美智子は優秀なお医者さんで
東京では大きな病院でバリバリ働いていたのだけれど
過労と、子供を流産したショックなど、いろんなことが重なって心を病み
東京での大病院の勤務をやめて、この村で暮らすことにしたんです。
村では週2~3回、診療所での診察を始めます。
山の上に阿弥陀堂があり
阿弥陀様がおられて、村で死んだ方々の慰霊もそこにまつられています。
その阿弥陀堂を守っているのが96歳になるおうめさん。
そして、そのおうめさんの言葉を取材して文章にし、阿弥陀堂だよりという広報誌に書いている少女小百合。
そして孝夫の恩師の先生。
そういう人との交流と
素晴らしい自然の景色と季節の移ろいのなかで
妻の美智子が心癒されていく話です。
夫の孝夫の恩師が胃がんに侵され自宅で療養中なのですが
その先生が孝夫に言います。
“自分に価値があるかないかなんて、この年になってもわからない。
ただ、自分の志した道を悔いのないように歩むことだ“
この言葉はグッときましたね。
人間の価値って何だろうって思いました。
美智子は東京で大病院の医師をしていたのに
村の診療所の医者になる道を選びました。
エリートコースを歩いていた人が、なぜこんな村に来たのかと聞かれて
“おちこぼれもいいものよ”
と答えるんです。
でも、エリートとか、落ちこぼれとかって何なんだろうって思ったんです。
エリートは、収入とかと肩書とかとかそういう基準で見たらそうなのかもしれないけれど
無医村だった村の診療所の医師として、はたしている役割はものすごく大きく
村の人たちはみんな、美智子にものすごく感謝し、本当に喜んでいる。
これは、エリートとか、落ちこぼれとか、そういう基準とは違うもので
人から必要とされ、感謝され、ほかに代わりのない存在というのは
ものすごく大きな幸せだと思うんです。
自分にしかできない役割
必要とされること、誰かの役に立つこと
それは本当に人として、この上ない幸せだと思うんです。
阿弥陀堂を守っている96歳のおうめさんにしても
(北林谷栄さんの演技が最高!!それを見るだけでも価値がある!)
畑で野菜を作り、その時あるものを食べ
日々、阿弥陀堂を守って、寝て食べて働くだけの生活です。
貧乏なので、あるものを食べ
忙しいので、目の前の仕事のことだけを考え
余計なことを考えずに過ごして来たら
96歳になっていた…おうめさんの言葉です。
孝雄の恩師の言葉にしても、おうめさんの言葉にしても
しみじみ心にしみますね。
自分のやるべきことを一生懸命やって
毎日、毎日を悔いのないように生きる。
それに価値があるかないかなんて
考える必要はない。
考えたって、分からないんだから。
ただただ、悔いのないように、それが大事ですね。
この映画は、本当に心が癒されます。
優しいお布団にくるまれている感じ。
そのぬくぬくふわふわしたものに包まれていれば
他に、何にもいらないじゃないかって
そんな気になれます。
何度見ても、本当にいい映画やわあ。
コメント
奥薗先生こんにちは🍀
最近『スープジャーのお弁当』
を購入して、いろいろ
作ってほっこりいただいて
おります。
本当に美味しいです♨
ありがとうございます🍀
阿弥陀堂便りとても
観たくなりました✨
心が温まる作品が大好き
なので、機会を見つけて
観たいと思います。
原作の本も合わせて
読もうと思います✨
麒麟が来る我が家でも
楽しみな作品です~⤴
これからもいろいろ
教えてください。
楽しみにしております。
こんにちわ。
本を買ってくださってありがとう。
また作ってくださっているとのこと、すごーくうれしいです。感謝です。
阿弥陀堂だよりは、本当におすすめ。
でいりいおくじょのには、すべてが書ききれませんでしたが
心に残る素晴らしい言葉がたくさん出てきます。
その言葉に出会うだけでも、本当に見る価値、読む価値があると思います。
是非是非、おすすめです。
麒麟がくるは、本当に楽しみですね~。