家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
親が子に何をしてやれるのか
まだ、子供が成長していくうえで大事な事はなにか
そんなことを考えさせられる映画です。
「はじまりへの旅」
父ベンと6人の子供たちは森の中で暮らしています。
日中は野菜を育て、猟をし、体を来るため走ったりロッククライミングをしたり
そして夜になれば、焚火を囲んで読書
読書に飽きたらみんなで楽器を鳴らし踊り、歌い、音楽を楽しむんです。
そんな暮らしのおかげで
体力、筋力、運動神経は抜群
難しい本を読んでいるので、知能レベルもすごく高い、
(10歳くらいの子が「カラマーゾフの兄弟」とか「銃・病原菌・鉄」を読んでいる)
6ケ国語を操り
長男のボウは、有名大学に全て合格するほどの秀才。
そんな一家のもとに、
母親のレスリーの死の知らせが入ります。
実は、妻のレスリーは神経症を患って都心の病院に入っており
そこで命を絶ったというのです。
妻レスリーの家族は、一家が森の中で世間から孤立して暮らすことをよく思っておらず
葬式には来なくてもいいといってきました。
妻の両親が自分のことも、森での暮らしもよく思っていないということを知っているベンは
最初、葬式に行くことをためらっていたんです。
けれど、妻の遺言(火葬にして、その灰をトイレに流してほしい)をかなえるため
子供たちと一緒に行くことを決意。
住居として使っている大型バスに乗り込んで
葬儀が行られるニューメキシコまで2400キロの旅が始まります。
ところがです、ここからが大変。
体力、運動神経、知能、すべてにおいて超優秀な子供たちですが
森以外の世界を見たことがない。
本で読んで知識はあっても、ホットドックもコカ・コーラも知らない。
途中、ベンの妹の家に寄ったり
レスリーの両親に会ったりするんだけれど
価値観の相違から、人間関係がぎくしゃくしていくんです。
しかも、宗教が違うので、
仏教徒の妻が望んでいた火葬ではなく、キリスト教のお墓に埋められてしまう。
果たして、ベンと子供たちはレスリーの遺言をかなえてあげることができるのか。
全体的に、重たくなりすぎないようにストーリが展開していきますが
でも、ベースにあるテーマは深いです。
いろんなことを考えさせられますが
私が一番心に残ったテーマは「子離れ」でした。
子供が生きていくうえで必要なことをきちんと教えて大人になるまで育てる
それが、いわゆる“子育て”だけれど
子育ての最終目的は、
子供をいかに世の中に送り出すかという事なのかなと思いました
親は自分の信じること、いいと思う事
自分の価値観を子供に与え教えようとします。
それ自体は悪いことじゃない。
けれど、子供から大人に成長するためには
親以外の他所とのかかわりも大事だし
自分と違う価値観とも向かい合わなければならない。
一度親を否定しなければならないこともある。
自分とは違う価値観に対し、目を背けるのでも、否定するのではなく
その違う価値観を理解して、いい距離感をつかむこと
自分はどちらを選ぶのか、自分の頭で考えられるということ
そこまで含めて、子供に教えてあげる責任があると思いました。
ネタバレになるので、あまり多くは書けませんが
この旅で、子供たちだけでなく、ベンも成長していくんです。
親は決して完ぺきではなく
間違うこともあれば、弱い部分もある
でも、そんな完璧じゃない親だからこそ
子供は、その背中を見て、自分の正しいと思うことを選べる
そして、親も、間違っていると思ったら、いつでも軌道修正はしていいんだ。
そういうこと全部が、子供を育てるということ。
子供を育てていたつもりが
いつの間にか、自分が子供たちに育てられている。
子育てというのは、そういうものかもしれません。
コメント
とても興味深いです。
是非とも観てみます。
ネットで調べたら、実話だそうです。
是非見てください。
おすすめです。