家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
おいしそうなぶりが、お買い得品で並んでいます。
ぶりというと、寒くなってからが旬というイメージでしたが
最近は流通技術も進み、
また養殖技術も進み
9月のこんな時期でも、おいしいぶりが安い値段で食べられるのはありがたいことです。
その一方で、旬という概念自体見直さないといけないのかもしれませんね。
ぶりを塩焼きにする?それとも照り焼きにする?
なんて考えながらうろうろしていたら
なんと、おいしそうなアラが一パック300円!!
おおーっ!!!
身もたっぷりついているし、
切り身がお買い得ということは、アラのほうも新鮮であること間違いなし
もうこれはかうしかない!!
手に取りかけたらお店の人が一言
右が天然もので、左が養殖もの
どちらでも好きなほうを取って。
確かに切り身も、天然ものと養殖物が混在しているから
アラも両方あるわけね。
で、わたしは迷わず、養殖ものを選びました。
なんとなくイメージでは
天然もののほうがおいしいような感じはするけれど
今まで切り身で何度も食べ比べてみた結果
養殖もののほうが断然脂がのっています。
おそらく、築地とか、もっと専門的なところで買うなら
天然ものの、すごーくいいやつも並んでいるのかもしれませんが
少なくともスーパーの鮮魚コーナーに並んでいるぶりだと
私は、養殖のほうが、脂が乗っていておいしいと思います。
それでも煮つけにするなら、天然ものでもさっぱり煮上がるので
それはそれで好みの問題かと思いますが
塩焼きとか、照り焼きとかになると、
脂ののった養殖もののほうが断然おいしい気がします。
そんなわけで、今日は脂ののった養殖ブリのアラで、アラ煮です。
ところで、ブリのアラといえばぶり大根ですが
料理の本を見てみると
どの本でも、たいていブリのアラと大根を最低40~50分くらい煮ると書いてあります。
1時間以上煮るレシピも結構あります。
でも、そんな長時間魚を煮ると
身はパサつくし、生臭さも出るし
おいしくないと私は思うんですよね。
実際、何度も教科書通りの作り方で挑戦してみましたが
やっぱり出来上がったものは、身がパサついて、生臭い。
で、ずーっと試行錯誤を繰り返していて
なかなか納得いくものが、私自身作れず
なんとか、おいしいアラ煮を作りたい一心で
居酒屋さんとか、小料理屋さんに行ったら、必ずアラ煮を頼んで、作り方や味付けを研究したわけです。
で、その結果、たどり着いた結論は
アラは、弱火でコトコト煮てはいけない。
強火でガーっと、短時間で煮あげる。
教科書とは、まったく違う方法です。
アラは、あらかじめさっと下茹でするか
あるいは熱湯をかけてから、汚れや血の塊などを掃除し
煮魚のような濃いめの煮汁を多めに作り
沸騰したところにアラを入れ
あとは煮汁を時々かけながら、強火でガーっと煮詰めながら煮ていくのです。
煮ている時間は、10分くらいです。
下茹でした大根を一緒に入れればぶり大根になるけれど
私は、アラ煮にはごぼうが合うと思うので
途中でゴボウも入れ
一気に煮詰めていきます。
このやり方だと、アラの中まで味はしみませんが
表面についた濃い煮汁をつけながら食べれば
まったく問題ありません。
また、食べ残した分を煮汁に浸けた状態で保存しておけば
次の日には、中までしっかり味がしみこみます。
残った煮汁は
そのまま保存容器に入れておけば、おいしい煮こごりになります。
私は、その煮汁で豆腐とねぎを煮ました。
こういうおまけのおかずも、またちょっと得した気分になれていいものです。
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