家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
戦争によりまき散らされた放射能により
人類は20才になると体内にwatchMeを埋め込んで
生府により、体内監視される。
体に悪いもの、心を乱すものはことごとく排除され
肉体的にも、精神的にも完ぺきな調和を保っているかのように見える社会。
何言ってるねん、この人?
と思われた方、すいません。
いやいや、これ「ハーモニー」という小説の中の話。
(伊藤計劃著 ハヤカワミステリー)
アニメ化され、映画館で上演が始まったことで
話題になっています。
私は映画はまだ見ていないのですが
小説の方の内容はかなり面白く、
いろいろ考えさせられることがたくさんあります。
例えば、「健康」と「幸せ」というのは
「安心」と「安全」の関係とよく似ているなあと思うんです。
安全基準というのは
科学的に測定し、臨床実験もし、そのうえで安全であるという基準を打ち出すことができますが
その安全基準を満たしているからと言って
イコール、安心できるかというと、そういうものじゃない。
安心は、あくまで自分の心が決めるものだから。
同じように、健康であるということは、ある程度いろんな検査をして
いろんな数値が正常の範囲にあれば、健康であるといえるけれど
健康であれば、イコール幸せか
何か、数値に異常があれば、イコール不幸せかというと
それも、そういうものじゃない。
この小説の中で書かれている世界
生府に監視され、ことごとく、健康に悪いものを排除していく社会は
何か、ものすごく不気味、居心地が悪いのです。
甘いものを食べ過ぎれば太るなあと思いながらもおまんじゅうを食べちゃったり
ついつい、食べ過ぎちゃったり、飲みすぎちゃったり
不自然な姿勢でPCを打って、腰を痛めたり、肩こりに悩まされたり
体重が増えたり、吹き出物が出たり
胃が重かったり、体が思うように動かなかったり
そういうことが、いいことだとは、決して思わないけれど
そういう、やっちゃったなあというようなことの中に
人間らしさがあって、なんだかこっちの方が幸せな感じさえしてしまいます。
そういう、やっちゃったなあということを自分がしちゃうから
自分以外の人がやっちゃったことも許せるわけだし
また、後悔する経験があるから
人は、次からは自分の健康について、少しは気にするようになるわけだし
時々羽目を外しているくらいが
本当は、健康と幸せのバランスが、一番取れているのかな、なんて思えたりしてきます。
自分を許せるから、他人も許せる
そういう、バランスもいいんじゃないかと。
そんなことを考えながら
今日も一日、作っては食べ、作っては食べて一日が終わりました。
だらだら、作って食べるって
普通に考えると、かなり不健康ではありますが
自分の気持ちとしては、結構達成感があって、幸せなのかもと思ったりしています。
さて、今日のお弁当は、豚肉の生姜焼き海苔巻き!!
スープは、キノコとトマトのスープです。
海苔巻きは、のりを最初から半分に切っておいて
その上にご飯を広げて、具をのせて、端からくるりとまくだけ。
巻きすもいらないし、高度なテクニックも何にもいりません。
全形の海苔で巻くから、難しいのです。
半分の長さなら、誰でも簡単に巻けます。
ご飯は一応、酢飯にしましたが
こういうのは、酢飯じゃなくて、普通の白ご飯で作ってもおいしいです。
まな板にラップを引いて、その上に海苔を置き
その上にご飯を広げてマヨネーズを絞り
その上に豚肉の生姜焼き
その上にキャベツの千切りときゅうりをのせ
最後に青シソの葉をかぶせて、端からまけば
シソの葉のおかげで具がまとまって、巻きやすいですよ。
ラップを上手に持ち上げて海苔と具をまくといいですね。
巻き終わったらラップに包んでおくと、海苔巻きが落ち着きます。
切る時は、ラップごと切れば、ばらばらにならずに上手に切れますよ。
こういう海苔巻きって、端っこの部分がおいしくてわくわくするから
お弁当にも端っこを入れておきました。
スープは、えのきとしめじと昆布と水を火にかけて
沸騰したら、トマトと鰹節を入れ、しょうゆで味を調えて出来上がり。
カット若芽をラップに包んで別添えにし
食べるときに、お汁に入れると、若芽がいい感じに戻り
わかめの味もスープのだし代わりになり、ぐっとおいしくなります。
カット若芽は、最初からスープに入れて持っていくと
食べるころに柔らかくなりすぎるので
乾いたまま持って行って、食べるときに入れる方がおいしいですよ。
生姜焼き海苔巻きのお弁当。
お弁当は、栄養バランスも、もちろん大事
けれど
ときに、ちょっと遊び心もプラスして
テンションが上がる工夫をしてみるのも、また大事。
コメント