家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
大根って、一年中ありますが
夏のころの大根って、水分もうまみも少なく
辛味や苦みなんかもちょっと強めで
繊維も固くって、煮るのにも時間がかかる感じ。
(熱い時期に煮物はしないから、いいんだけど)
どうしても大根おろしとか、炒め物とか、料理が限られていました。
でも、ここのところ、ようやく繊維も柔らかくなり
だんだん甘くなって、おいしくなってきましたね。
なので、今日は鶏肉と一緒に煮てみることにしました。
大根って、油揚げや厚揚げとシンプルにあっさり煮るのもいいですが
鶏肉と煮ると、食べごたえがアップするので、しっかり存在感のあるおかずになるのがいいところです。
実は、娘が大の大根好きで
小さいころから、大根の煮たのさえあれば、ご機嫌で鍋いっぱいモリモリ食べるような子で
献立に困ったら、大根でも煮るか、って感じで煮ていました。
でも子育て中って、何かと忙しくって
時間のある時にちゃちゃっと煮ることができたらいいのだけれど
時間があるときっていうのが、そもそもなくって
それならば、大根をちゃちゃっと短時間でおいしく煮る方法を研究したほうが早いわと思って
いろいろ試すようになったんです。
で、結論から言うと
まず大根の切り方ですが、イチョウ切りより、乱切りのほうが、早く火が通り
また、最初にさっと炒めてから煮ることで、早く柔らかくなるのに加え
味のシミも早いという言ことが、わかりました。
というのも乱切りって、繊維を斜めに断ち切っているし
また、炒めることで、表面に直接熱が入っていくし
また、斜めになった部分は、厚みが薄くなっているので、その分味も早くしみるし
ってことなんだと思います。
ちなみに、もちろん皮はむきません。
夏大根は、皮が硬くて、ちょっとえぐみが残ることもあるので
夏大根を煮る場合は、むくこともありますが
この時期の大根の皮は、くせがなく、柔らかいので、むかなくても口残ることはまずありません。
米のとぎ汁で下茹でする
って、書いてある料理本もありますが
私はやりません。
別に、やらなくても、特にまずくなるとは思えず
むしろ、そんなこと言ったら、米のとぎ汁があるときしか大根が炊けへんことになるやん
と思ってしまいます。
(あ、これあくまで私の意見なので、別に下茹でしたい方はどうぞ、どうぞ)
鶏と煮る場合は、一口大に切って塩をもみ込んだ鶏もも肉を
皮目のほうからじっくり焼きつけ、
出てきた脂で大根を炒めてから煮ると
短時間で柔らかくなり、また鶏の脂によって、ぐっとコクがアップします。
甘辛く煮るのもいいですが
今日はシンプルに塩だけで煮ました。
大根がおいしくなってくると、こういうシンプルな味付けのほうが、逆にたっぷり食べられるし、
食べるときに、粗びきコショウを振ったり、ゆずこしょうをちょっと塗ったりと味の変化もつけやすいのです。
最後に、煮汁に水溶き片栗粉を入れてとろみをつければ
味がしっかりからみます。
これから、どんどん大根もおいしくなってきますので
ちゃちゃっと煮て、おいしい大根をたっぷり食べたいですね。
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