家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
ちょっと前、
詩の講座で詩集を編むという話を聞いて
レシピ本を作るのと似ていると思った話を書きましたが
続きをもう少し。
実はYoutubeのレシピを本にする
という話を頂いたこと、あるんですよ。
でも、
話を聞いて、どんなに考えても
Youtubeのレシピを一冊にまとめるのは難しいと思ったんです。
というのも、
Youtubeで紹介している料理は一つ一つが独立しているからで
私は一応、Youtubeでも
レシピどおしが、できだけ呼応するように考えてはいるんだけれど
それでもやっぱり、Youtubeのレシピは
一つの動画の中で完結するように作っているので
レシピどおしを、呼応させながら一冊にまとめるというのは
かなり難しい。
レシピがあるんだから
それぞれのポイントなどを詳しく解説しながら
一冊にまとめたらいいじゃないか
と言われるんだけれど
何か標本みたいな感じがして
レシピ本としての面白さがない気がして。
だって、CDだって
ヒットした曲ばっかりが一枚に入っているのも悪くないけど
?っていうような曲や
自分は好みじゃないなって言う曲があるからこそ
それぞれの曲の良さが見てくれってことないですか?
いや、別に、レシピ本としての完成度とか面白さなんて
料理研究家の自己満足みたいなもんだし
実用性が高ければそれでいいじゃないか
という意見もあるかとは思いますが
私としては、一冊にまとめることがどうしてもできませんでした。
レシピ本を考える時の、レシピの発想法と
Youtubeで発表する時の、レシピの発想法はどこが違うか
レシピ本は横発想で
Youtubeは縦発想なんです
っていっても
分かってもらえないと思いますが
まあ、早い話が
レシピを考える方向性が違うんです。
Youtubeを4年くらいやっていると
完全に、縦発想になっているので
横発想に切り替えるとなると、もうかなりのエネルギーが必要になり
レシピ本からは、どんどん遠ざかっているというのが現状です。
それはともかく
今回、詩集を編むという話を聞いて
ああ、これは横発想だなと思ったんです。
良いなあ。
横発想って、調和の世界なんですよ。
自信のあるすごい料理の横に
さりげないレシピがあったり
時間のかかる料理の次のページには
混ぜるだけで完成する料理があったり
でも、すごい料理とか、時間がのかかる料理だけでは
ダメなんですよ
簡単で、シンプルな料理があるからこそ
互いが引き立てあう。
詩と詩を響かせあいながら
一つの世界を作り出すって
なんかいいね。
詩って、なんかギラギラした世界かもって思い始めていたので
調和の世界を作ることもできるんだって思えたことが
自分としては、とっても嬉しい発見だったのです。
また
ひとつひとつが
すごーい!!って言うような詩でなくても
一つにまとめることで味わいとか、世界観がうまれる
ってこともあるんだろうなって思う。
なんか面白いな
まあ、
自分に書ける気はしないけどね
暮れなずむ虎之助
コメント
今はインターネットの時代で興味のある料理は検索すれば世界中から山程出てきます。ユーチューブでは料理研究家のお料理が文字どうり毎日アップされています。これだけ便利なのに、今ひとつ、心が満足していないのは何故か。。。。先生のお話で理由がわかりました。確かにお料理本に載っているお料理を全部作ってみるわけではないです。でも、レシピを見ることの楽しみ、見るだけだけれど学べることもあります。動画とは違った静止しているお料理の写真の良さ、手描きのイラスの温かさ、などが相まって、料理本一冊の世界が出来上がっているんですよね。実用の為の本ですが、それだけではない何かがあってこそ、心が満たされるものなんですね。
うれしいコメント、ありがとうございます。
そうなんです、レシピ本にも、いろんな需要があって
実用的なレシピ本もあり、それはそれで、意味があると思うのですが
実用だけでないレシピ本、思いを伝えたいと思っているレシピ本もあるという事を
お伝えできてよかったです。