家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
北海道の知人から、おいしい鮭が届きました。
今が旬の「時知らず」と言われる、グルメの間では垂涎モノの鮭で
脂がのって、身が柔らかいのが特徴です。
結構たっぷり送ってもらったので
とりあえず、塩と酒を振って保存。
鮭って、そのまま保存するよりも、塩をしておく方がぐっとうまみが増し
酒を振ることで、早く塩が浸透するだけでなく
酒が鮭の臭みもとってくれます。
スーパーなどで売られている一般的な甘塩サケは
3%濃度の塩水に漬けるそうなのですが
私は、塩を酒で溶いて、鮭に直接振りかけます。
身の薄い魚、例えば手開きにしたイワシ等は
塩水につけると、均一に塩味がつき、臭みも抜けるのですが
せっかく脂ののっている鮭の切り身なので
塩水につけるのは勿体無いので
そういう場合は、塩を酒で溶いてふりかけます。
直接塩をふりかけるより、塩が固まらないし
酒で溶くことで、早く浸透するんですね。
塩の量は、鮭の重量の2%
塩水ではなく、塩を振りかけているのとほぼ同じなので、
3%にするとしょっぱすぎるし、1%だと、少し物足りない感じ。
日持ちもするし、そのまま食べてもちょうどいい味出しということで
私は2%がベストかなと思っています。
ジッパー付きの袋に入れ、中の空気を抜いて冷蔵庫に入れておけば
これで大体1週間位は大丈夫。
この方法は、普通にスーパーで売っている鮭の切り身でも同様にできますので
安売りで大量に買っちゃった、などという時にはお試しあれ。
こうやって保存しておくだけで、いろいろな料理が作れるし
冷凍するよりも、断然味も良く、使いやすいのでおすすめです。
取り敢えず今日は、定番のムニエル。
実は送られてきてすぐに腹身の部分をシンプルな塩焼きにして味見して
あまりの美味しさにうなりまして
とにかく尋常じゃない脂ののりかたで
口の中でとろけます。
なので、せっかくの脂が下におちてしまうのがもったいなく
小麦粉をまぶしてオリーブオイルで焼くほうが
脂も無駄なく食べることができるかなと思い
今日はムニエルです。
焼くときのコツは、皮をパリッと焼くこと。
パリパリにやけた皮って、本当に美味しいのです。
そのために、まず皮目を下にして、フライパンに対して立てる感じで入れ
そのまま持っているのも大変なので
私はフライパンのヘリに立てかけちゃいます。
そうして、とにかく、皮目をカリカリに香ばしく焼いてから、
身を片面ずつ香ばしく焼いていきます。
上手に焼けたら、塩味だけで十分美味しいですね。
本当は、最後にバターを入れて、バター風味のムニエルにしようと思ったのですが
(普段バターをあまり使わないのですが、北海道つながりということで)
でも、旬の時しらずは、十分すぎるほどの脂がのっていて
焼くと、ジュクジュクと脂があふれだすくらい。
ここにバターはいらないなという感じ。
レモンをギュッと絞るだけのシンプルな食べ方ですが
身はふっくらジューシーで
脂たっぷりなのに、けっしてしつこくなく、
むしろサーと口の中で消えてしまうような上質の脂
こんなに美味しい鮭があるのかと思えるほどの美味しさでした。
一応、添えにブロッコリーとじゃがいもを添えたのですが
じゃがいものほうには塩とバターを。
う~ん、ごちそう、ごちそう~。
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