家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
いよいよ今年もあと少し。
そこで、今年読んだ本を振り返ってみることにしました。
今年読んだ本は全部で59冊。
毎年100冊以上は読んでいたので、今年はずいぶん冊数が減りましたが
今年は本当にたくさんのいい本に出会ったので
その分じっくり大切に読むことができたかなと思っています。
特に心に残った本を書きだしました。
「50歳、おしゃれ元年。」(地曳いく子著 集英社)
「服を買うなら、捨てなさい」(地曳いく子著 宝島社)
は、50歳を過ぎたあたりから、自分は何を着たらいいのか全く分からなくなって
洋服難民になっていたのが
この本のおかげで、何を捨て、何を残し、どう選べばいいのかなど、迷いがずいぶん晴れました。
同じ服ばっかりを着ているのが恥ずかしくて、不本意な組み合わせで着るより
自信のある組み合わせをヘビーローテーションで着る方が、
ずっとおしゃれだし、楽しく過ごせるということを学びました。
本当に、そうだと思う。
「みをつくし料理帖 シリーズ全10巻」 (高田郁著 角川春樹事務所)
これは本当に面白くて、続きが気になって気になって、読み始めたら止まりません。
何を目指して料理を作るのか。自分の目指すべき料理とは何か。「食は、人の天なり」
料理人澪と一緒の成長に、自分を重ね合わせ、最後は幸せな気持ちになれる本でした。
「マチネの終わりに」(平野啓一郎著 毎日新聞出版)
中高年になって突然、現実世界への適応に嫌気がさし、本来の自分へと立ち返るべく破壊的な行動に手たくなる、「ベニスに死す症候群」。これ、すごくよくわかる。この本は、アラフォー男女の恋愛小説ですが、本来の自分へと立ち帰る途中の、臆病さや自信喪失感が、もうわかりすぎてわかりすぎて、せつなくて苦しくなり、読み終わった後も、この後二人がどうなるのか、気になって気になって、永遠に物語が終わりません。
「「サル化」する人間社会」(山極寿一著 集英社インターナショナル)
利益と効率を優先し、強いものが上に立つサル社会と、上下関係も勝ち負けもないゴリラ社会。サル化に向かう社会は発展なのか後退なのか。改めて、考えさせられた一冊でした。
「宮本武蔵」(吉川英治著)
今年読んだ本の中で、一番を選ぶとしたら、この本です。文庫にして全8巻。最初は武蔵の成長物語かと思っていたのですが、深い深い人生哲学の書でした。
もちろん、物語としてもストリーがテンポよく、見事に最後はきちんと収まるべきところに収まっていくのが気持ちいいのですが、それ以上に、ここに書かれた哲学が深すぎて、一読では味わいきれないほどです。
天賦の才能を持った小次郎と、凡庸でありながらも絶え間ない努力と、人には見えない苦しみを乗り越える武蔵。
自分の凡失を知っているからこそ、たゆまぬ努力をする武蔵の生き方に心打たれます。
小次郎の技と力の剣は相手に勝つことが最終目的であり
武蔵の精神の剣は、自分に勝つことを目指す。
道を究めたいと願う時、ついつい誰かと比較して
上とか、下とか、世間の評に一喜一憂したり、心乱れたり
とかく、自分を見失う要因はあちこちにある。
偉人も凡人も、しょせんは煩悩に皮をつけただけで変わりないのだから
どんなときにも、自分の芯をしっかり持つこと。
自分の目指すべき道をしっかり見て、地に足をつけて生きること
本当に、たくさんの啓蒙をもらいました。
これから先も、折に触れて何度も読み返したくなる本であることは間違いありません。
コメント
先生、おはようございます。
本は読めば読んだだけ財産になりますね。
59冊‼️。
100冊も読んでいた年があるのですね。
凄いなぁ?。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。