家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
気にはなっていたものの、なかなか見るきっかけがなかった映画。
グレイテストショーマン
最近娘が見て、これは絶対見るべきだというので
見て見ることにしました。
ストーリーを描くと、ネタバレになってしまうので
あまり詳しくは書けませんが
19世紀に活躍した興行師のバーナムの成功を描いたミュージカルです。
バーナムが、ユニークな人たちを集めたサーカスをはじめ
それが一部の人たちの反感を買うものの大成功を収める。
けれど、その後、様々な困難なことが起こり、それに立ち向かっていく
というのが大まかなストーリーです。
見終わった感想はというと
ミュージカルとして、音楽もダンスも素晴らしい完成度で
本当に、はあーっとため息が出るほどよかったです。
文句なしにおすすめ。
けれど、それ以上にストーリーと、その中に秘められたメッセージが素晴らしく
見終わった後も、いろいろ思い出しながら深く考えさせられました。
一番心に残った言葉は、歌のタイトルでもある
「Never be enough(決して足りることはない)」
「This is me(これがわたし)」
これらは劇中で歌われる歌なんですが。
見終わった後も、この歌のフレーズが頭から離れず
繰り返し、これらの言葉が頭の中でずーっとながれていて
そのうち、なぜか京都の龍安寺の石庭を思い浮かべていたんです。
有名な竜安寺の石庭には15個の石があるのですが
その15個の石は、どの角度から見ても14個しか見えない。
禅の教えの「我唯足知(我足るを知る)」の教えを表しているとも言われています。
これをシンプルに考えるに
足るを知ることは、足りていない自分に気づくことでもあり
足りていない自分を認めることでもあると思うんです。
もしも、足りない部分が、努力のようなことで克服できるとしたら
足りないことが、よりよく生きるためのエネルギーになったり、きっかけになる。
けれど、足りないことが、
例えば、生まれた境遇とか、養子とか、能力といった自分の努力ではどうしようもないことだったら
足りないことに、もがき苦しみ、永遠に枯渇し続けるしかない。
でも、その苦しみや、もどかしさもまた、生きるということ。
足りないことは、時に自分に生きる力を与えてくれるいっぽうで
自分を永遠に苦しみ続けさせるものでもある。
それならば、足るを知るということの最終的にたどり着くところは、
足りないこと、満たされない気持ちを我慢して、現状に満足することではなく
全てを受け入れて、これが私なんだと思えるということなのかもしれません。
もっともっととほしがる満たされない気持ち、欠陥だらけの自分へのコンプレックス、それ等を全部受けいれて、これが私なんだ、これでいいだと思う自分
一見矛盾するこれらの気持ちは、実は根っこでつながっていて
つまり、それが
「Never be enough」と「 This is me」
この二つの思いの間で、もがきながら行ったり来たりすることが、生きるということなのかもしれません。
そんなことを、この映画を見たて思った私でした。
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