家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
京都に帰ると、食べたくなるのがうどんです。
しかも、寒い時期はたっぷり生姜で体がぽかぽか温まる
たぬきうどん!!
うどんの料理名は
関西の中でも、大阪と京都ではずいぶん違っていて
この辺、結構ややこしいのですが
京都では、タヌキといえば
きつねうどんのあんかけです。
きつねが化けてたぬき。
油揚げは、大きいままではなく、刻んだタイプで
甘く煮てあるの
だしの味はきつねうどんと同じなんだけれど
結構しっかりとろみが付いていて
うどんにだしがドロッと絡む感じ。
ネギは九条ネギの斜め切りです。
寒―い日に、あんかけのうどんはご馳走です。
具はねぎと油揚げだけですが、この熱さが本当においしいの。
そんなたぬきうどん、錦市場にある富美屋でいただきました。
ここは、昔からよく行っていたお店なんです。
昔は二階建ての建物で
確かうどんの他に甘味も置いてあって
うどんを食べた後に、しっかり甘いものも食べたりして
錦市場で買い物をした後、ほっと一息つける
オアシスみたい場所でした。
私が京都から離れ
なんやかんやで、京都から遠のいている間に
錦市場自体が、すっかり様変わりして
ここのお店もすっかりきれいになってしまい
なんだか、別の市場になってしまったようで
足が遠のいていたのですが
今日久しぶりにお店の前を通ったら、なんだか懐かしくなって
ああ、こんな日は、熱々のたぬきうどんだなあって思ったんです。
お店ははすっかりきれいになって
あのころの面影は全くないのですが
それでも、冬の京都で、熱々のうどんを食べるというだけで
ちょっと気持ちがワクワクしたんです。。
そうして運ばれてきたうどんは
やけどしそうなくらい熱々のあんがたっぷりかかって
ああ、これこれって感じ。
外歩きで冷え切った体に、湯気がしみる~。
最初、生姜を混ぜずにおつゆを一口
それから、底に沈んだうどんを、よいしょッと引き上げ
フーフーしながら一口
それから、油揚げを一口
ああ~、おいしい・・・。
熱々のおつゆは
とろみが付いているけれど、懐かしい京風のうどんつゆの味です。
どろんとしたとろみは強めで
うどんを引き上げようにも、そのどろんとしたあんが、いっぱいいっぱいからむ。
うどんはちょっと細めで柔らかめ。
油揚げはふっくらと柔らかく品のいい甘さです
その油揚げの甘味が溶けだし、少しずつ汁が甘くなってくるのも、またおいしい。
そうして、途中でしょうがをえいやっと混ぜると
これがまた、良い風味になって
さらに体が温まる、温まる
額から汗が出てくるほど温まる。
汁をレンゲですくってすすり
うどんをすすり、あぶらあげをほおばり
もう夢中で食べながら
ふと隣をみると
私よりもちょっと年配の女性が
熱々の鍋焼きうどんのお汁を大切にすくいながら、
最後の一滴までいつくしむように食べておられて
寒い日のうどんて、そうなりますよね~
って思いました。
ああ~次は、鍋焼きうどんもいいなあ~。
コメント