でいりいおくじょのBLOG

2019.03.04

読書日記「応天の門」

またしても、めちゃめちゃ面白い漫画に出会ってしまいました。

「応天の門」①~⑩ 灰原薬 株式会社新潮社

 

この漫画も、前からタイトルだけは知っていたのですが

菅原道真と在原業平が様々な怪事件を解決していく、

みたいな紹介のされ方をしていたので

ああ、若い子向けの軽い漫画だと思っていたんです。

 

ところが、読み始めてみると全然違う。

 

藤原家 v.s.反藤原派

の権力闘争をベースにした、結構シリアスなストーリーです。

 

菅原道真といえば、北野天満宮のご祭神で

学問と文芸の神様。

 

もともと菅原家というのは学者の家系で

権力闘争とは無縁なんです。

 

一方、藤原良房&基経は

藤原家が権力を握るためなら何でもやってしまうような強烈な親子で

ことごとく他氏を排斥して

全ての権力をわがものにして、富と権力を自分たちだけで独占しようとしているんです。

 

実は道真の兄は、傍若無人な藤原の権力により殺されており

父は道真に、藤原には近づくなときつく戒めます。

 

ところが道真は、

学問は、いったい誰のためにあるのか

という疑問に直面して

自分の勉強したものを人のために役立たせたいという思いがだんだん強くなり

その結果、権力闘争に巻き込まれていってしまうことになるんです。

 

この漫画は現在まだ連載中で

応天門の変が起こる前ですが

 

最終的に、菅原道真は

藤原基経の息子の時平によって、大宰府に左遷され

そこで亡くなってしまい

そのことで、京都の中でも特に恐ろしい怨霊となるわけで

 

京都人にとって、菅原道真といえば

学問の神様&怖い怨霊&悪霊退散の守り神

みたいな感じ。

北野天満宮は、受験の時もお参りするし

節分みたいな、厄払いする時にもお参りする

とにかく、何かあればお参りして手を合わせるような場所です。

 

だからなのか

藤原家と反藤原家の戦いに道真が巻き込まれていくストーリーは

本当に興味深くもあり、ハラハラドキドキします。

 

更に、権力の道具にされた姫たち

 

これも、教科書で勉強しただけだと

政治に利用された姫たちの悲しみにまでは

なかなか思いをはせることができませんでしたが

こういう漫画で読んでみると

この時代の女性たちの、なんと生きにくいことかと思いました。

 

大人になってからもう歴史を勉強し直してみると

若い時には見えなかったことが、色々見えて

深く考えることができるのがいいなと思います。

歴史への興味が尽きません。

 

あっ、それから、ところどころに道真の平安時代講という解説があるんですが

書かれているのが東京大学資料編纂所教授の本郷和人先生。

この解説がまた、めちゃめちゃ面白い。

 

最近の漫画は、本当にすごいですね。

 

歴史に詳しくない人が読んでも、面白いのでおすすめです。

 

ああ、早く続きが読みたい~。

 

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