でいりいおくじょのBLOG

2021.08.10

読書日記「読書のちから」

若松英輔先生の本をもう一冊読んでみました。

「読書のちから」(若松英輔著 株式会社亜紀書房)

 

この本は

若松先生が、これまでに読書について書いてこられた文章と

この本のために書き下ろされた文章で構成された一冊です。

 

若松先生曰く

本を読むという事は、書き手の対話である

たくさん読めばいいとか、早く読めばいいとか

そういうたぐいのものではない。

 

これすごくわかります。

 

若い時

読んだ本の冊数やら、タイトルやら

そういうことにこだわっていた時期がありました

たくさん読んで、そこからたくさんの知識を得たいと思って

とにかく、必死で本を読みまくりました。

 

それがやがて、だんだんエスカレートして

料理関係以外の本を読むことを自分に禁止するようになって

役に立つか立たないか、そんな基準で本を選ぶようになった時期もありました。

 

あの頃、

まるで、何かに追い立てられるように

とにかく料理や食べ物や食文化についての知識を増やしたくて

必死だったような気がします。

 

でも、ある時、

それが急にむなしくなりました。

 

本を読むって、こういう事だっけ?

 

本を読むことで、知らないことを知る事、知識を増やすこと

それは確かに、本を読む目的なのかもしれないけれど

それだけになってしまった時

私は、読書がちっとも楽しくなくなりました。

 

これじゃ、まるで修行・・・。

 

先生の書いておられるように

そういう読み方はよくないと思います。

 

私はその後、

自分を追い詰めて必死で本を読むのをやめて

ただ、自分が面白そうと思った本を

何の脈絡もなく読むようになり

本の世界で、のびのびと呼吸ができるようになりました。

 

同じ本を何度も読み返す

気に入ったページを読んでみる

そういうことも最近はできるようになりました。

 

もちろん、仕事に必要な知識を仕入れるために

集中して、一つのテーマの本をがーっと読むこともありますが

 

若い時とは違い

今では、それも楽しめるようになっています。

 

早い話、肩の力を抜いて、本を読めるようになったのかもしれません。

本の読み方も、年齢とともに変わりますね。

 

この本を読んで、新たに興味がわいたのは詩と短歌。

大岡信さんの「折々のうた」(岩波新書)を

先生は、いつもカバンの中に入れて持ち歩いておられ

ふっとしたときに、好きなページを開いてよむ

と書いておられたのをいいなあって思い、

まねさせていただくことにしました。

 

折に触れて、ページを開き歌をよむ

 

早速「折々のうた」買いました。

大岡先生とも

少しずつ対話ができるといいな。

 

読書というのは、

書き手との対話でもあり

それは、最終的に、自分自身を再確認することでもある。

 

そんなことを、この本から教えていただきました。

2021年8月10日本

コメント

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「送信」ボタンを押してください。

PageTop