家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
どうやら、私のお弁当は蓋がしまらないのではという
心配をおかけしてしまっているようなので
そのことについて、一言書かせてください。
以前、同様の質問をいただいた時も、お答えしたことなのですが
今、ここで紹介しているお弁当は、娘のために作っているものです。
基本的に作り置きはせず、
朝起きてから作って、30~40分で詰めるところまでやって
余った分を家族が朝ごはんのおかずとして食べている横で写真を撮り
そのまま、蓋をして娘に持たせています。
そこに、スリルとリアリテイーがあって
それこそが、本で紹介するようなお弁当とは違うメッセージを
お伝えできればと思っています。
毎朝、実際にお弁当を作ってみた思うことは
お弁当って、この小さな世界の中に
いろんな要素が盛りだくさんに入っているということで
例えば、味の組みあわせ、料理手順や段取り、栄養バランス
また、食べる人の好みや、作り手の体調、
更には、お弁当箱の選び方や、詰め方。
30年以上、家族のために料理を作り続け
また、家庭料理研究家としても20年以上たちますが
改めて、家庭料理は、お弁当に始まりお弁当に終わるといっても過言ではないのではと思っています。
それほど、この小さな世界は、突き詰めれば突き詰めるほど
どんどん深い森の中に入っていくような感じがするのです。
今まで、お弁当の本を出したこともありますし
本の中で紹介している料理は
確かに、実際に蓋をして、閉まるかどうかなどと確認することもないし
最もおいしそうに、美しく見えるように
きちんと作りこんで仕上げたりします。
スープジャーのお弁当という本を作った時も
実際のスープの量では、うまく写真に写すことができないので
若干多めに作って、量を増やして撮影しました。
(本の中にも、きちんと明記していますが、この量では実際はふたがしまりません)
けれど、ここで紹介しているお弁当は
そういう、本で紹介する料理とは目的も、思っていることも全然違っていて
本の時は、きちんとレシピもあるし
一つ一つの料理は、見せることを前提に考え抜いて組み合わせています。
けれど、ここで紹介しているお弁当は
朝起きて、冷蔵庫を開けて、その場で今日はあれとこれにしようって決めて
行き当たりばったりで作っているので
組み合わせとして、今日はよくできたなという日と
今日は、あのおかずはあれじゃないほうが良かったとか
味付けがかぶっているなあとか
結構、そういう反省や後悔もたくさんあり、
でも、そういうリアリテイーを楽しんでいたりもしています。
さて、昨日のしいたけつくねですが
確かに、お弁当箱の淵からはみ出しているように見えますが
実は、こういうつくねって、横に寝かせて入れてしまうと、
高さが中途半端に沈んで見えるので、ちょっと斜めに立てかけて入れる方が、
立体感が出ておいしそうに見えるのです。
けれど、お弁当箱の前の淵に合わせて入れると
手前のつくねの半分くらいが、お弁当箱のふちで隠れてしまい
また奥のつくねは、手前のつくねに隠れて、半分以上見えなくなります。
なので、苦肉の策として
後ろのつくねを、後ろの淵に立てかけて
それに立てかけるようにして前のつくねを入れ
つくねと、お弁当箱の前の淵の間はちょっと空けるようにして入れると
写真で撮った時に、前のつくねが大きくよく見えるんです。
なので、実際に蓋をするときは、つくねを全体に前にスライドさせれば、
問題なく蓋はできるというわけなのです。
かぼちゃに関しても、わざと立体感を出すために
ちょっと立てかける感じで、下に空洞を作りながら斜めに入れています。
なので、これも、平たんにすれば、まったく問題なく蓋が締まるというわけです。
私のお弁当を見てくださる人が
ああ、これつくってみたいとか、これ食べてみたいと思ってもらえるように
お弁当作りが楽しくなったり、モチベーションを上げるお手伝いができたらいいな
思う気持ちが強すぎて
ついつい、やりすぎてしまうことがあり
まだまだ、勉強が足りないなあ、料理の実力が足りないなあと反省しています。
蓋が締まるかどうか、見る人を不安にさせてしまうこと自体
本当に、私の力不足です。
奥薗さんのお弁当を参考にしてよかったと思ってもらえるように
お弁当作り、頑張ろうって思ってもらえるように
もっともっと、勉強して精進せねばと、
今、改めて思っているところです。
長々書いてしまいましたが、今日のお弁当の話を少しだけ。
娘の仕事は月~金の仕事でないので
休みは、シフトによって変わります。
今回は、5連勤。
(月~金のお勤めの人は、基本5連勤なので、そう思うと普通なんですけどね)
毎朝のお弁当作りも5日目になると、かなり疲れてきますねえ。
そんな時は、のっけ弁当が楽ちんですね。
今日は、ごぼう豚丼弁当です。
ごぼう豚丼
人参の明太子和え
スナップえんどう(マヨネーズ添え)
卵焼き
スーパーの店頭に新ごぼうが並び始めました。
新ごぼうは火の通りが早いので、こんな風に豚肉とさっと煮るだけで
短時間で柔らかくなり、味もしみるのがうれしいところ。
ご飯に乗せるときは、ご飯の上に鰹節を広げてからのせると
うまみのある汁を鰹節が吸ってくれるので
食べた時に、口の中にうまみがばーっと広がります。
コメント