でいりいおくじょのBLOG

2016.01.01

ラグーライスに想いを込めて

あけましておめでとうございます。
 

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年一年は

家庭料理の奥深さと、大切な本質について

より深く感じることのできる一年でした。
 

一年間、毎日更新した「日めくりレシピ」
4月からほぼ毎日作っているお弁当

そして日々更新しているツイッターと「でいりいおくじょの」
 

これらを通して見えてきたものは

家庭料理というのは、“つながっていく料理”であるということ。
 

今日買ってきた人参が、今日はカレーになり、明日はきんぴらになるとか、

今日、夕飯のためにゆでたブロッコリーを、取り分けておいてお弁当に入れとか、

たっぷり作ったおでんの、次の日、また次の日と、具材が少なくなっていくのに反比例して、味はどんどん染みて変化する楽しみとか。 
 

いや、食材や、出来上がった料理の話だけではなくて

健康についても
 

昨日はこってりした肉料理だったから、今日はあっさりした魚の塩焼きにしようとか

野菜がたっぷり食べられる常備菜を作りおいて、毎日野菜を意識して食べるとか

毎日バランスのいい食事をとれなくても

もっと長い時間の流れの中で

うまくバランスを取りながら、体を気づかえるのも家庭料理ならでは。
 

更には

こうして、日々作って、食べた味で

自分の中の、おいしいとか、懐かしいとか、ほっとするとか

そういう、食の価値観みたいなものが自分の中で形作られ

ああ、またあれ食べたいなあと思うのも楽しいし

その味が食卓に出てきたときのうれしさや

その時々によって、おいしくできたり、できなかったりのドキドキもいい。
 

そして、それが親から子供に、子供から孫に

次の世代に(少しずつ形を変えながら)伝わっていくことも、なんて素晴らしいこと!!
 

家庭料理は

食材がつながっていく

出来上がった料理がつながっていく

それを食べることで健康がつながっていく

味が世代を超えてつながっていく

想いが時間を超えてつながっていく
 

そう考えていくと

家庭料理は、なんて面白く、奥深いものなんだろうと思えてくるのです。
 

そんなことを思いながら、

大みそかは、おせちつくりと、大みそかの定番ラグーライスを作りました。
 

(おせちの話は、また明日)

おせち料理作りの最初に、食材をすべて切ってしまい

中途半端に残った野菜とか

梅型にぬいた人参の外側とか

面取りした野菜のくずとか

干しシイタケの軸とか

使い残したベーコン、ソーセージ、鶏肉やひき肉、豚肉とか
 

とにかく、残りそうなものを全部細かく切って

(スピードカッターでも可)

フライパンで炒め、トマト缶(半分使って、残りを冷凍してあったやつ)とケチャップを入れて

蓋をしてコトコト煮るだけ。
 

早い話がミートソース。
 

以前イタリアにマンマの味を勉強しに行ったとき

あちらのマンマが、こんな風に何でもかんでも入れて大鍋で煮て

ラグーソースを作っていたんです。
 

ラグーソースっていうのは

もともと、こんな風にいろんな肉を入れてトマトと一緒て作るパスタソースです。
 

そのマンマはパンチェッタの切れ端とか、

食べ残した肉とか、手作りパスタの切れ端とかも入っていて

本当に、ごった煮って感じになってたんだけど

それが、なんとも絶妙なおいしさで

ああ、これって、究極の家庭料理だなって思ったんです。
 

始末料理なんだけど、いろんなものが入ることによって

予測不可能な複雑なおいしさが生まれる。

でも、そのおいしさって、確実に自分たちの生活の延長戦でしか生まれない味なんです。
 

だから、中途半端な野菜くずや、食べきってしまいたい肉の残りなんかがたくさん出る

大みそかの日

私は、毎年、おせち料理を作りながら、ラグーソースを作り

パスタではなく、ご飯にかけてラグーソースライスにして食べることにしています。

(パスタだとゆでないといけないので、おせちを作りながらだと大変なんです

鍋も足りないし)
 

大量にできすぎて余ったら、冷蔵庫に入れて置き

おせちに飽きたころ、お餅にかけてチーズをのせて、オーブントースターで焼いて食べるのもおいしいし

カレー粉を入れて、ドライカレーにするのもうれしいものです。
 

こんな風に、ここでもまた、去年の味が今年にもつながっていきます。
 

今年も、また、楽しく元気で料理が作れますように、

そして、この料理への思いが、一人でも多くの人とつながっていきますように。
 
 

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

コメント

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「送信」ボタンを押してください。

PageTop